あらすじ
1970年。本土復帰を目前に控え、沖縄は混沌としていた。公安警察官・大城は、警察上層部よりさらに上――内閣総理大臣から直接の命を受け、沖縄に潜伏することに。時を同じくして、那覇では沖縄独立を目指す平良が、賢秀塾を率いる古謝賢秀の指示のもと、不穏な動きを見せ始めていた。大城は、円滑な返還を実現すべく、時に犯罪行為にも手を染め、諜報を進める。彼は、どこまで堕ちていくのか。連載から12年、幻のノワール巨編!
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Posted by ブクログ
馳星周『パーフェクトワールド 上』集英社文庫。
本土復帰を目前に控えた沖縄を舞台にした馳星周らしいピカレスクの香り漂う作品。これからまだ一捻り二捻りはありそうな予感。結末を読むまでは評価を下せないが、上巻を読んだ限りでは非常に面白い。
1970年、総理大臣の勅命を受け、本土復帰を控えた沖縄に派遣された公安警察官の大城は混沌とする沖縄で暗躍する不穏分子の捜査にあたるが…
大城が捜査の過程で知り得た怒りの事実は大城に一線を超えさせる。
Posted by ブクログ
馳星周作品、久々に手をとりました♪
軽〜い気持ちで読み始めたら、
重く濃厚な気配にたじろくことに(・o・;)
沖縄返還前の激動の時代。
日本やアメリカによって翻弄されてきた、悲しい歴史をもつ沖縄。
かつては独立した琉球王国であった沖縄。
沖縄の尊厳を保ちたいと戦う者がいれば、
一方では沖縄を金儲けの対象としてみる者もいる。
犯罪の香りプンプンする、
読んで止まらない展開。
ノンストップで下巻にGO!
Posted by ブクログ
「9.11倶楽部」に通ずる灼熱のような暑さを感じる。純粋すぎる青年たちが呪詛の塊のような一癖も二癖もある大人たちに利用されるであろうということが目に見えてわかりもどかしさが募るが、これが馳ノワールの真骨頂とも言える。これから下巻を読むがハッピーエンドはあり得ないだろう。