あらすじ
現代人は「きたない」「くさい」「きもちわるい」などを排除してしまう。
しかし、こうしたものがないと、本来人は生きていくことができなないという。
うんこ博士と言われ、自らの体内に寄生虫を飼い、感染免疫学の専門家であるの著者は、身の回りの「きたないもの=ばっちいもの」とむきあう。
ウンコ、おしっこ、おなら、げっぷ、汗といった人の体から出るもの、細菌、ダニ、寄生虫、カビなど、嫌われものとのつきあいを通じて、アレルギーにも負けない免疫力の高い体作りを考える。
そして、殺菌、滅菌、消臭、無臭などを指向する「超清潔社会」に警鐘を鳴らす。
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Posted by ブクログ
この先生のことを知ったのは、「イヌからネコから伝染るんです」という本でした。
犬を飼ってた私は、この表題を見て手に取らずにはいられませんでした。
上記の本は、愛犬、愛猫のことを家族同然に、あるいは恋人のように思って暮らしていても、犬と猫と人は違う。動物を通じて感染する病気があるのだから、そのあたりの知識を身につけ、節度ある距離感を持って暮らしましょうという主旨の内容でした。
この本は、普段人から「ばっちい」と毛嫌いされているものたちに焦点を当て、汚いと嫌われているけど、実はこんな良い働きをしているんですよ。この嫌われ者がいなくなったら、こんな風に困るんですよ。と、切々と主張する内容となっています。
先生は自分のお腹の中に寄生するサナダムシに名前をつけるような変な人ですが、その主張は至極まっとうであるように感じられます。
先生の鳴らす警鐘も、ごもっともと頷きたくなるもの。
ちょっと下品にも思えるけど、ユーモアあふれる先生の文章は秀逸。
でも、やっぱり、病気になるわけじゃないと分かっていても、なんとなく不衛生な気がするから洋式トイレより和式の方が好きです。
便座にゆっくり座れるのは、家のトイレだけ。