あらすじ
◆心理学×テクノロジー、仮想現実の最前線◆
・VR内での体験を、脳は現実の出来事として扱ってしまう
・VR内で第三の腕を生やしたり、動物の身体に“移転”しても、
脳はすぐさまその変化に適応し、新たな身体を使いこなす
・イラク戦争後、“バーチャル・イラク”を体験するVR療法により、
PTSDに苦しんでいた二〇〇〇人以上の元兵士が回復した
・VRで一人称視点の暴力ゲームをプレイすると、
相手が仮想人間だとわかっていても生々しい罪悪感を覚える
・仮想世界で一日過ごすと現実と非現実の違いがわからなくなる
・VRユーザーの身体や視線の細かな動きは、正確にデータ化できる
・そこからその人の精神状態、感情、自己認識がダイレクトに読み取れる
【目次】
■序 章 なぜフェイスブックはVRに賭けたのか?
■第1章 一流はバーチャル空間で練習する
■第2章 その没入感は脳を変える
■第3章 人類は初めて新たな身体を手に入れる
■第4章 消費活動の中心は仮想世界へ
■第5章 二〇〇〇人のPTSD患者を救ったVRソフト
■第6章 医療の現場が注目する“痛みからの解放”
■第7章 アバターは人間関係をいかに変えるか?
■第8章 映画とゲームを融合した新世代のエンタテイメント
■第9章 バーチャル教室で子供は学ぶ
■第10章 優れたVRコンテンツの三条件
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
バーチャルリアリティーと脳との関連や、その利用法に関して最前線を歩み続けている著者の解説本です。製品を売り儲けたい企業家ではなく、科学者の批判的な目でも見られています。具体的にVRを利用してアメフトのトレーニングを行い、大きな成果をあげた例や温暖化問題の教育のVRを作り、第3者ではなく、当事者として、温暖化で生物などがダメージを受けるのを体験することで、成果を上げたり、PTSD患者にVRで再体験させることで治療したりと、具体的に現在の利用状況を示しています。ただ今後の進展方向が未知数であることも認めています。非常にinspireされる内容でした。個人的には著者が有望と考える教育への利用に逆に恐怖感を覚えました。非常に当事者感が生まれそうですので、製作者が刷り込みたい内容の真実性が増しそうに思います。子どもたちの世代がどのように利用していくことになるのか期待と心配がありますが、僕らも無関係ではいられないんでしょうね。