【感想・ネタバレ】影の中の影(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

血も凍る暴虐に見舞われた故郷から秘密を抱えて脱出したウィグル人亡命団と、彼らを取材中のジャーナリスト仁科曜子が、白昼の東京で襲撃された。中国による亡命団抹殺の謀略だ。しかし警察は一切動かない。絶体絶命の状況下、謎の男が救いの手を差しのべる。怜悧な頭脳と最強の格闘技術をそなえた彼の名は、景村瞬一。冒険小説の荒ぶる魂がいま甦る。疾風怒濤のノンストップ・アクション。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

著者の描くヒーロー像は本当に格好良い。「カーガー」と呼ばれる主人公・景村俊一が対峙するのは中国の暗殺部隊。
その戦闘シーンはすさまじく、そこには死屍累々たる惨状が現出する。
そんな戦場ともいえる状況下を共に戦うこととなった暴力団構成員達さえ、そのうちに格好良く思えてきた。
過去に同僚の裏切りに遭い、表舞台から姿を消して、裏街道を進むことを余儀なくされた主人公であるが、その復讐に執着するわけではなく、影の中の影として強烈な光を放っている。
そんな姿に心惹かれる。

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2019年03月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

成り行きで手を組んだヤクザと伝説の男が亡命者を守るために中国の精鋭暗殺部隊と文字通り決死の戦いを繰り広げる。バッタバッタとネームドの人物がちっていく無常の戦いの中、冷静沈着でクールなカーガーに対して、任侠道を突き通すヤクザの生き様が好対照で思わず目頭が熱くなる場面がしばし。おっさんだらけの登場人物に配置された女性ジャーナリストも絶妙な立ち位置におり、全てを繋ぎ合わせてストーリィに整合性を持たせていると共に単なるアクション小説を超えて、ウイグル問題という社会的な面にスポットを当てている点も見事。解説にもあるがキャラ良し、アクション良し、ラスト良しの傑作エンタメ小説。

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2018年10月12日

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