あらすじ
『怖い絵』シリーズ著者の絵画エッセイ
2017年に兵庫と東京で開かれ、記録的な来場者数となった
「怖い絵展」。その特別監修者を務めた中野京子さんの
『怖い絵』シリーズに並ぶ人気作が『名画の謎』シリーズです。
シリーズ3作目となる「陰謀の歴史篇」では、
フェルメール、ラファエロ、ゴヤ、ブリューゲルといった
時代を代表する画家たちが残した名画の数々を読み解きます。
そこには、権力へと強欲な手を伸ばし、運命に翻弄され、
恋に身を焦がす人々の営みがときに鮮やかに、
ときに冷酷に描かれています。
中野節は、今作でも健在。
画家を魅力し、世間を騒がせた人間たちのドラマに迫ります。
文庫版の解説は、宮部みゆきさん。
中野さんの著作の大ファンだという宮部さんが、
熱い思いを綴ってくださいました。
絵の中で語られている物語を知れば、
絵画鑑賞は何倍も楽しくなる。
そして、
絵を見れば、歴史はもっともっと面白くなる!
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Posted by ブクログ
怖い絵とコラボしたプラネタリウムに行ったことで、ひさしぶりに中野先生の御本が読みたくなり再読しました。
西洋画を見るのがとても好きですが知識は殆ど0、難しい本が読めない私でも楽しめます。まるで推理小説やゴシップを見ているような気分で絵画を鑑賞することができます。
グロスの項で「時代が求める才能というものがあり、その時どこにいるかで運命は大きく変わる」という文章が特に印象に残りました。
他の作品の感想でも書いたのですが、怖い絵コラボの企画展をまたやってほしい!
Posted by ブクログ
再読。こうやって絵を読み解くことが出来るのは幸せだと思う。
今回、何度目かの再読だが、01 消えた少年たち、については子どもといろいろ話をした。ちょうど薔薇戦争を習っていたからだ。教科書では薔薇戦争終結、チューダー朝が始まる、という二言で終わってしまうことだけれど、その中でもいろいろなドラマがあり、悲劇がある。私は「戦争の終わりに両家の男女が結婚し、ピンクの薔薇になりました、めでたしめでたし」のように覚えていたので、今回しっかり読んでみて、自分がなんと浅はかな読み方をしていたかを痛感した。
05 トロイア戦争の悲劇 はこの絵自体にはさほど興味がわかなかったが、先日行った、メトロポリタン美術館のエル・グレコの「羊飼いの礼拝」とそっくりな絵が、プラド美術館にあり、それを見比べて非常に興味深かった。グレコの光の当たり方は劇場のように見える。また人の顔の伸び方(子供の頃からソラマメ型と思っていた)がやはり独特。しかし嫌いにはなれない。フェリペ二世が「祈る気になれない」が評価していた、という気持ちが分かるような気がする。
12 あふれかえる死 はブリューゲル「死の勝利」。プラド美術館所蔵。大きい図で解説を読みながら、骸骨の動きや人の動きを見ていた。とても楽しい。ブリューゲル展、日本でやらないかなあ。
同様に 10 異端審問所の妖怪たち のゴヤも大きな図で見ていた。ゴヤ展、日本でやらないかなあ。13 笑うコサック レーピン「トルコのスルタンへ手紙を書くザポロージャ・コサック」も大きい図で見る。亡くなった義父が残してくれた「講談社 世界の美術館」シリーズが非常にありがたい。
先日行った、メトロポリタン美術館に来ていたジェローム(来ていた作品は「ピグマリオン」)。こちらで解説されていたのは「仮面舞踏会後の決闘」。決闘後の虚無感がとても現れているように思う。
ああ、見たい絵が尽きないなあ。