あらすじ
子供の絵はなぜいいの?絵はどうやって見てどう評価すればいいのか?美術批評家・椹木野衣は、どのようにつくられ、どんなふうに仕事をして生きているのか?美術批評の第一人者が、絵の見方と批評の作法をやさしく伝授し、批評の根となる人生を描く。著者初の書き下ろしエッセイ集。
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Posted by ブクログ
読書することは新たな視点を獲得することだ。
他人(著者)の視点を借りることができる体験なのだ。
そう改めて感じた1冊だった。
美術批評家の著者に芸術に関してのエッセイ。
芸術への接し方から、読書の際の本の選び方、著者の地元への想いや子育て観まで内容は多岐に渡る 。
個人的には芸術への接し方についての考察(見解)が目から鱗だった。
感性は磨くものではなく、うちに備わるものであり、芸術は作者の事情や付随する情報に捕らわれているうちは自由な見方を奪われた状態であるということ。
「感動」という便利で安易な言葉で片付けず、そのありかを探るのが批評であるということ。
そういう視点で見ると、自分に響く作品は多くなくていいし、また人と同じでなくていい。
自分の身体の動きに素直に芸術鑑賞をしたいと思った。