あらすじ
【目次】
●プロローグ 人生は後半戦が勝負
経済的な余裕だけでは足りない/終わりよければすべてよし……ほか
●第1章 全員が合格点
定年退職日は一大イベント/定年退職か、雇用延長か/隠居と定年の相違点……ほか
●第2章 イキイキした人は2割未満?
名前を呼ばれるのは病院だけ/クレーマーは元管理職が多い?/米国の定年退職者も大変……ほか
●第3章 亭主元気で留守がいい
日本人男性は世界一孤独?/名刺の重み/主人在宅ストレス症候群……ほか
●第4章 「黄金の15年」を輝かせるために
会社員人生の2つの通過儀礼/8万時間の自由、不自由/一区切りつくまで3年……ほか
●第5章 社会とどうつながるか
ハローワークで相談すると/得意なことに軸足を移す/100歳を越えても現役……ほか
●第6章 居場所を探す
自ら会合を立ち上げる/同窓会の効用/家族はつらいよ?……ほか
●第7章 「死」から逆算してみる
お金だけでは解決できない/死者を想うエネルギー/「良い顔」で死ぬために生きている……ほか
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
いやいや通っていた職場が実はパラダイスだったと思える視点が具体的で大変よかった。生活は規則的だし、話相手はいるし、適度?に変化もあるし。。。何よりも「所属欲求」が満たされる場所である。
長い人生、定年後はどうなるか?何も考えていないと生き生き出来無いよ、ということを手を変え品を変え教えてくれる本である。
Posted by ブクログ
定年後 - 50歳からの生き方、終わり方 (中公新書) 新書 – 2017/4/19
過去の自分、未来の自分と対話せよ
2019年5月14日記述
楠木新氏による著作。
2017年4月25日初版。
1954年神戸市生まれ。京都大学法学部卒業後、
日本生命相互保険会社に入社。
人事・労務関係をはじめ総合企画、営業などを経験。
50歳から勤務と並行して、「働く意味」「個
人と組織の関係」をテーマに取材を続け、執筆、
大学の非常勤講師、講演などに取り組む。
勤務と並行して、大阪府立大学大学院でMBAを取得。
関西大学商学部非常勤講師を務める。
2015年3月に定年退職。
現在、楠木ライフ&キャリア研究所代表、
神戸松蔭女子学院大学非常勤講師。
著者の本を読むのは2冊目。
会社を定年退職した後にどうするか。
どうそれまでに準備(助走)するべきかを説いている。
もちろん我々の世代(1984年生まれ)前後は
定年そのものがもう少し伸びそうなので
そのまま参考には出来ないかもしれないが・・
定年は隠居と違い、強制的である点が異なる。
目の前の仕事に追われるだけだと、普段何をしたら良いのかわからなくなる危険性がある。
(この辺りは昔から語られている普遍的なテーマではあるが)
定年後に病院でしか名前を呼ばれない事や
若い人と接する機会が会社くらいしか実はないというのはリアル。
映画 アバウト・シュミット(米国2002)生きる(黒澤明)
本 定年ゴジラ(重松清)孤舟(渡辺淳一)終わった人(内館牧子)
部長の大晩年(城山三郎)
会社を離れても家庭内管理職になってはいけない。
食事もつくらずTVばかりみない。
妻の至らない点を文句ばかりいわない
印象に残った点を列挙してみる
研修では50歳以降の仕事生活を見直すのに、小さい頃に好きだったことや、こだわっていたことを再び取り込むように進めている。
子供の頃の自分と今の自分がつながると、
それが一つの物語になるからだ。
この物語を持っている人は新たな働き方を見出しやすい。
誰もが子供の頃を経て今に至っている。
それなのに多くの人がそのことを忘れている。
日本のビジネスパーソンは、
未来にも過去にもつながらず、現在だけを生きているのが特徴だ。
しかし間違いなく定年後はやってくる。
大会社の役員であっても、会社を辞めれば、ただの人である。
隠居は自由意志に基づいた主体的な選択であるのに対して、定年は本人の意思にかかわらず引退する意味合いが強い。
喜劇王チャールズ・チャップリンは、人生において必要なものは
「勇気と想像力、そして少しのお金だ」と言っている。
1957年(昭和32年)6月の就業者に占める雇用者数は2017万人、就業者に占める割合は47.5%で半分にも満たなかった。
ところが30年後の1987年(昭和62年)6月で4426万人、74.9%である。
それが2016年(平成28年)11月では5733万人、88.9%で、ほぼ90%が雇用者なのである。
女性は現役時代から、仕事だけでなく、家事も、子育ても、食べ歩きやショッピングなど好きなことも手放さないで、調整しながら何とかやってきたからだ。
仕事だけだった、
という人が多い男性とそこが違う(エッセイスト岸本裕紀子)
70歳くらいになると、外見からだけでは会社勤めが長いかどうかを推測するのが難しくなる。
10年もすれば会社員らしさは消失するのである。
彼の話から元気な人の共通項を探ってみると、教育関係に取り組んでいる、若い人に何か役立つことを持っている、若い頃の自分をもう一度呼び戻している、などを挙げることができそうだ。
また会社の仕事だけではなくて、それ以外の何かに
取り組んでいる人という条件も重要ではないかと感じた次第である。
日本人男性は、会社を中心とする組織内での上司や同僚、部下との関係を含めて考えれば、むしろ濃密な人間関係を築いていると言えなくもない。
しかし、会社以外の場での人間関係は薄いのである。
→定年退職後、仕事も今までの人間関係も消失する可能性が高い。
会社は天国? 著者の同窓会にて冗談半分で
とにかく会社に行けば人に会える。
昼食を一緒に食べながら色々な情報交換ができる。
若い人とも話ができる。
出張は小旅行、接待は遊び。
歓迎会、送別会でみんなと語り合える。
遊び仲間、飲み友達もできる。
時には会社のお金でゴルフもできる。
規則正しい生活になる。
上司が叱ってくれる。
暇にならないように仕事を与えてくれる。
おまけに給料やボーナスまでもらえる。
スーツを着ればシャキッとする。
会社は家以外の居場所になる。
身も心も会社組織に埋め込んでしまうからいけないのであって、一定の距離を置いて接すれば会社ほど有意義で面白い場所はない
主人在宅ストレス症候群というものが妻にでることも・・
現役で社会とつながっていれば、わずかならがらも収入を得ることができて生活にも張りが出る。
そうすれば生活リズムも健康もついてくる。
ずっと家にいて妻に嫌がられることもない。
無理に趣味を探す必要もなくなる。