あらすじ
刻々と変貎する《東京》を舞台にした戯曲「エピタフ東京」を書きあぐねている“筆者K”は、吸血鬼だと名乗る吉屋と出会う。彼は「東京の秘密を探るためのポイントは、死者です」と囁きかけるのだが……。スピンオフ小説「悪い春」を特別収録。
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Posted by ブクログ
電子版で読み始めたけど、やっぱり思い直して久しぶりに紙単行本で再読
纏まりごとに紙の色もフォントも組み方も異なるのに、めくり心地は均一だから没入感がたまらない
悪い春だけ文庫電子版で
311を過ぎた後の東京が舞台の2015年刊行の本作だが、「必ずまた疫病は来ます。」などハッとさせられる文言はあるし、東京オリンピックへのネガティヴな印象は開催前後のドタバタを思うと薄寒くなる
この本自体が東京の墓標になりやしないかと思えてくる
幸いまだゴジラは上陸していないし、平和サポートボランティアは導入されていないけれど、きな臭い空気感に包まれている社会がそれを笑い飛ばせなくしていて気が遠くなる
Posted by ブクログ
再読。単行本で読んだのだが、びっくりするくらい内容を忘れていた。もともとあんまり覚えていないタチなのだが、まるで初めて読んだような気がして、さすがに自分に不安を覚えた。でも、感想は初回と同じような感じ。でも最初とは違って、この構成を恩田さんの遊び心と感じた。読者を置き去りにしてでも好きなことを書いてほしい。私はどこまでもついていきますけど。
Posted by ブクログ
2015年発表の恩田陸氏の作品。
作家Kが戯曲『EPITAPH東京』を書きあぐねつつ、東京を歩く、という話。作中、自分を吸血鬼と告白する吉屋の存在があったり、劇中劇があったり、恩田氏が志向してきたファクターが結構詰まっていると思います。ただこれ、一般受けはしなさそうというのが個人的見解。クセのある作風じゃないかと。
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細かく分かれた章が20超連なります。殆どが作家Kの視点です。幾つかは吉屋の視点。
恩田氏は本当に想像力というか発想力がすごくて、おそらくKというのはご自身なのですが、一つの話を喋っていてそれを形容する言葉や類似の名詞などが出てくると、〇〇といえば、という風にどんどんと話が膨らみ、そして流れてゆくのです。
なんというか、女性二人で大盛り上がりするとすごい盛り上がりと合いの手で、話題がどんどん展開するのってありますよね。あれを一人でやるようなイメージでしょうか。
個人的にはそうした思考の展開の描写はいま一つ好みではなく、そういう意味では相性は良くなかったかもしれません。
他方、東京の街に潜む謎や歴史みたいなものに節々で触れ、オカルトチックな話や背景の説明みたいな箇所はモダンホラー的な作品も書く恩田氏ならでは、でしょうか。一瞬だけ『帝都物語』を想起しました。
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あと、戯曲を書きあぐねる作家が主人公ということで、劇中劇がありましたね。
女性が6人で営む殺し屋という設定でしたが、個人的にはそちらの展開が気になりました。
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ということで、久しぶりの恩田氏作品でした。
数えてみると読んだのはこれで40作品目でした。読むほうも読むほうだけど、まあ多産な作家さんですね。私は初期の青春系のテイストの小説が好きなのですが、最近あたるのは(まだ読んでいなかったのは)戯曲系が多い印象ですね。
ゆっくり残りの作品も読み進めます。