あらすじ
偽史・疑似科学にもとづく教育論が学校に定着しつつある。それが「江戸しぐさ」と「親学」。江戸しぐさは“江戸っ子”の行動哲学は素晴らしいと説く。親学は伝統的子育てにより、いじめや虐待から発達障害まで広く問題を解決できる、そのために親への教育が必要であると説く。国・地域・学校は連携して、子供が、国家及び社会の形成者として必要な資質を備えられるように家庭教育を支援しよう……などと教育行政に影響を与えている。これら欺瞞に満ちた教えはなぜ蔓延したのか。嘘がばれているのに、まかり通る背景にはなにがあるのか。
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Posted by ブクログ
<目次>
第1章 「江戸しぐさ」とは何か
第2章 「親学」とは何か
第3章 親学の社会浸透
第4章 親学の人脈
第5章 「江戸しぐさ」「親学」を貫く陰謀論
第6種 オカルト・ナショナリズムの系譜と教育現場
<内容>
「江戸しぐさ」なるものは、江戸時代ルーツではなく(まったくのウソ)、戦後たかだか30年前後のものであることを暴いた、原田氏の新作。「江戸しぐさ」に続いて、「親学」の虚像をさらし、政治とのつながりを暴いた。
そこに見え隠れする「ナショナリズム」。地球の歴史で言うと、こういう考え方は古いものだが、古いだけに何度も現れては、現実の歴史をかき回していく。今は戦後何回目かのそのブームなのかもししれない。