【感想・ネタバレ】オカルト化する日本の教育 ──江戸しぐさと親学にひそむナショナリズムのレビュー

あらすじ

偽史・疑似科学にもとづく教育論が学校に定着しつつある。それが「江戸しぐさ」と「親学」。江戸しぐさは“江戸っ子”の行動哲学は素晴らしいと説く。親学は伝統的子育てにより、いじめや虐待から発達障害まで広く問題を解決できる、そのために親への教育が必要であると説く。国・地域・学校は連携して、子供が、国家及び社会の形成者として必要な資質を備えられるように家庭教育を支援しよう……などと教育行政に影響を与えている。これら欺瞞に満ちた教えはなぜ蔓延したのか。嘘がばれているのに、まかり通る背景にはなにがあるのか。

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Posted by ブクログ

かつて話題になった「江戸しぐさ」は戦後、創作された偽史だった。伝統的な子育てを重視する「親学」はいじめ問題や発達障害を解決できるというがそれは誤りだった。
誤りであることが明らかなのに国家に都合の良い人間を育てるべく未だに教育の現場で使われているという。誤りが広まっていく下地には陰謀論やナショナリズムが見え隠れしている。
荒唐無稽だから学会が相手にしないとドンドン蔓延っていく。「水からの伝言」」同様、笑いごととして相手にしないでは済まないのだ。誤りを正すべく主張しなくてはいけない。

-第1章 「江戸しぐさ」とは何か
-第2章 「親学」とは何か
-第3章 親学の社会浸透
-第4章 親学の人脈
-第5章 「江戸しぐさ」「親学」を貫く陰謀論
-第6章 オカルト・ナショナリズムの系譜と教育現場

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2024年05月15日

Posted by ブクログ

似非科学、偽史学もここまで
きてしまう と
笑いごとだと 言えなくなってしまう
という危機感を 再度 新たに

心ある人と
語り合いたい
一冊です

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2019年06月18日

Posted by ブクログ

それは疑似科学であり偽史である。
前著で見事に葬った江戸しぐさを皮切りに、本書では、省庁の権限肥大本能と親・教師の承認欲求と善意の詐欺師が醜悪なワルツを踊る「親学」を中心とした数々のオカルト教育に斬り込む。
国教のない日本に新たな国家神道の萌芽、は大げさだとしても、後世の笑いものになる疑似科学国家へ堕する崖っぷちであるとは言えると思う。

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2018年08月07日

Posted by ブクログ

江戸しぐさも、親学も、聞いたことはあったが、そうか、宗教か。生長の家。
耳障りいいし、なるほどなあって思うこともなくはなかったし調べたこともなかったが、事実に基づいていないことに間違いはない。

源田先生、いつもありがとうございます。

WGIPについては、それが指示だったのか、結果報告だったのかが問題ではないような気がするので、単純に陰謀論に入れてしまうことは怖い気がするけども、何分、原本に当たれないので、そういう話があることだけは頭に入れておこう>

高橋某の本も読んだことがあったが、もともと、生長の家系のやつだったのかあ。菊と刀とかも読んだことないし、本当に、一次資料に当たらないと、どこまで本当なのか分からないと改めて思った。

2018年の著作だが、後書の最後に、統一教会のヤバさにちらっと触れているのが、まいった。

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2023年01月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

<目次>
第1章  「江戸しぐさ」とは何か
第2章  「親学」とは何か
第3章  親学の社会浸透
第4章  親学の人脈
第5章  「江戸しぐさ」「親学」を貫く陰謀論
第6種  オカルト・ナショナリズムの系譜と教育現場


<内容>
「江戸しぐさ」なるものは、江戸時代ルーツではなく(まったくのウソ)、戦後たかだか30年前後のものであることを暴いた、原田氏の新作。「江戸しぐさ」に続いて、「親学」の虚像をさらし、政治とのつながりを暴いた。
そこに見え隠れする「ナショナリズム」。地球の歴史で言うと、こういう考え方は古いものだが、古いだけに何度も現れては、現実の歴史をかき回していく。今は戦後何回目かのそのブームなのかもししれない。

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2018年06月30日

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