あらすじ
自分は「大人の発達障害」なのでは、と悩む人が多いなか、その解決策を具体的に示した本は少ないのが現状です。
本書には、発達障害当事者である著者が、試行錯誤と度重なる失敗の末に身につけた「本当に役立つ」ライフハックだけを詰め込みました。
発達障害の人はもちろん、グレーゾーンの人、仕事や人間関係がうまくいかない人にも役立つ1冊です。
●第1章 自分を変えるな、「道具」に頼れ 【仕事】
「かばんぶっこみ」こそが最強の戦略である
「バインダーもりもり作戦」で書類の神隠しを防ぐ
さらば、片づけ地獄! 「本質ボックス」と「神棚ハック」 ほか
●第2章 全ての会社は「部族」である 【人間関係】
人間関係の価値基盤「見えない通貨」
部族の祭礼「飲み会」は喋らず乗り切れ
共感とは「苦労」と「努力」に理解を示してあげること ほか
●第3章 朝起きられず、夜寝られないあなたへ【生活習慣】
「眠れない」あなたがやるべきたったひとつのこと
発達障害の僕でもできた、最強の「二度寝」防止法
身だしなみは「リカバリー」を重視せよ ほか
●第4章 厄介な友、「薬・酒」とどう付き合うか【依存】
コンサータを飲んでみた感想――ないと「事務ミスドミノ倒し」が発生
ストラテラを飲んでみた感想――僕は今飲んでいません
飲んでいい酒、飲んではいけない酒 ほか
●第5章 僕が「うつの底」から抜け出した方法【生存】
休日に全く動けなくなったらすべきこと
うつの底で、命を救う「魔法瓶」
自己肯定に「根拠」はいらない ほか
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ADHDやASDなどの発達障害の人を対象として書かれた、広義な生存方法の本。
自身は明確に発達障害ではない(けど個別の特性は持っているな...とも実感している)と思うけれど、もうなんかだめだーっていうときに読むとめちゃ人生を生きれる。ので何回か読んでる。
普通に人として仕事をしていく上でも結構目から鱗の解釈がある。3つの基本概念とか。
割とまじめにバイブルである...
Posted by ブクログ
「逃げる」という判断は常に間違いではない。「休む」という決断はベストではないかもしれないけど、ベターではあり得る。
逆に、辛さに耐えて耐えてついに限界に達した場合のダメージはそう簡単には抜けない。
逃げていいし、休んでいい。
努力なんてものは、やりたいときにやるべき環境が整っていたらやればいい。
焦りすぎることなく、心身を回復させることを優先しよう。
程よく諦め、それでも投げ捨てず、自分と付き合っていこう。
やりたいこと、やらねばならないことはたくさんある。しかし、それらの誘惑を断ち切って「何もしない」という行動を選ぶ。
この意識を持つだけで、休息の効果は劇的に上昇する。
「最後に退屈したのはいつだろう?」
これが思い出せないなら、あなたには休息が必要だ。
自己肯定感に根拠は要らない。
寧ろ、根拠に基づいた自己肯定感は、根拠が消し飛べば一緒に消えてなくなってしまう。
生きているだけで、存在しているだけでいいんだと、他人と比べずに、競争もせずに、肯定し合って生きていけたら、みんなもっと楽に生きていけるのではないだろうか。
Posted by ブクログ
ハウツー本としてよくまとまっていた。
私は著者ほどのADHDではないため共感できないところも多かったが、「他人が生きていることを無条件で肯定する」ところから始める、「まずは五感を遮断して寝る」など、どん底のときにできることを教えてもらえて助かった。
ただ、発達障害の凸を活かす方向の話ではなく、凹を平坦にするための本だったので、そこは注意。
Posted by ブクログ
程度問題で、とりあえず今僕はここまで強い特徴があるわけじゃないけど、
共感できる部分はかなり多かった
思考回路が似てる
見えないものは存在してないのと同じ
キャッチーなあだ名をつけて人を覚える
全ての会社は部族である、は妙に腑に落ちた
人間というかホモサピエンスって生物を過大評価しすぎてたのかもって。
ヒマだと感じるのはエネルギーがあるからってのはなるほど。
茶番センサーを止めろ
苦労や努力を理解すると、人は喜ぶ
芥川龍之介の言葉、諸行無常すぎるだろ
最も賢い処世術は、
社会的因襲を軽蔑しながら、しかも社会的因襲と矛盾せぬ生活をすることである。
Posted by ブクログ
とてもユニークな語り口調で語られた、発達障害当事者である借金玉さんならではの内容が詰まった1冊。
個人的には、発達障害者をサボテン、定型発達者をドクダミに例えた表現はとても面白かった。
「強すぎない栄養剤と多すぎない水」が発達障害者には必要であるという比喩は、共感しかない。
そして、「発達し続けている」という観点に於いては、とても気軽であり、かつ、希望が持てる言葉だと強く感じる。
発達障害であろうとなかろうと、せっかちに生きる現代人にはピッタリの書籍!
Posted by ブクログ
「発達障害サバイバルガイド」に続いて読んだ借金玉さんの本。
オーディブルで聞いてすごくよかったので紙の本も即購入。
借金玉さんが経験した苦労と工夫に至るまでが伝わってくる。たどり着いた工夫のおかげで困った状況から抜け出せたという体験談は、自分も工夫すれば今の困りごとが軽減されるかもという希望も感じさせる。
どこに書いてあったか見つけられないのだけれど、「頭の中が多動」って言葉にしっくりきた。困りごとの多い家族のために勉強しているけど、頭の中の多動は自分に当てはまるなーと。いい気づきをもらった。
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▪カバンの選び方
①十分な容量
②開口部が大きい
③自立する
④頑丈
⑤4つ以上の仕切り、それぞれ独立の開口部
⑥A4バインダーが最低4つ入るサイズと容量
⑦小物が一手で取り出せる
▪書類管理はバインダー
1案件1バインダー
▪メモの一元化 胸ポケットにメモ欄が大量にある手帳
▪「手が付けられない」は儀式で解決
▪茶番センサーを止める
声を出し(身体を使い)、そのあとであとにひけなくなるところまで労力をぶっこめ!!
▪二度寝防止
目覚ましがなったら、1m離れたところに置いたペットボトルの水を飲む
▪過集中の解除
30分単位でなるアラーム(スマホじゃないほうがいい)
鳴ったら 2分 体操
そのあと 5分 作業工程見直し
Posted by ブクログ
過去にない自身の困り感やその対策などが書かれたものだと思いました。発達障がいの中でも特に、ADHDやASDに関する記述が多いものですが、その方達の理解を深められる内容だと感じます。当事者の困難さが少しでも緩和され、理解される社会になる事を願う集団の1人でありたいと考えました。
自身の困難さに苦しんでおられる方や、そのご家族、支援者の方も参考に読まれると良いかと思います。
Posted by ブクログ
僕も片付けや話しが苦手だったりで色々自己啓発や整理術の本を読んでいたが、どうも成果が出ないことが多々あり。
最近自分が発達障害の傾向があることをしり、そういう人に適した対策本で大人向けがあったので読んでみた。
片付けはまず一箇所に集めて、全部見える位置に置くこと、であったり具体的なアイテム情報もあり非常に参考になった。
Posted by ブクログ
第二章に書かれてることは著者含め発達障害の人が超苦手だから無理だよ!と匙を投げてしまうのかと思ったらむしろ積極的にやっていきましょうというお話なのがちょっと意外でした。
Posted by ブクログ
高校生の息子が軽めのADHDで、かなりうっかりが多く、集中力も全くなく、これで将来やっていけるのだろうかと心配しています。
この本はADHD当事者の方が実際に行っておられるライフハックが書かれているので、とても参考になりました。
物をなくすからとにかく全部まとめてぶっこむとか、すぐにできそうなこともあります。
それに発達障害の方はうつなどになることが多いそうなので、そうならないためのハックも書かれているところがいいと思いました。
息子にこの本をプレゼントして、うまくやっていくためのヒントにしてもらおうと思います。
特に発達障害ではない自分にも茶番センサーなどのところは確かにそうだなと思いました。
こんな茶番やってられん!と思ってしまうことが時々あるのですが、そんなこと言って反発するより、テキトーにやり過ごしたほうが結局自分のためというのは本当にその通りです。
また役に立てる人間でいなければ生きる価値がないという考え方をしがちで、うつになった経験もあるので、価値がなくても生きていいというのはそうかと思いました。
これまで死にたい人に生きていてほしいというようなことを言う人は、死にたいと思ったこともない幸せな人なんだろうななんて思っていましたが、この著者は自分がどん底だったこともあった上でおっしゃっているので、とても説得力があります。
発達障害の人にもそうでない人にも、なにかしら得るものがある本だと思います。
Posted by ブクログ
当事者の話、具体的なハックは参考になりました。知識を得るとともに、試行錯誤しながら自分に合い、社会とのズレを減らすことが必要なんだなと感じました。
Posted by ブクログ
例えが分かりやすく、最後までスラスラと読めた。
ADHDの方が、日々の生活の様々な部分で困っているのがよくわかった。そして「普通」の生活を送るための作者の工夫がとても参考になった。
特に、(仕事を始める時の「儀式」)と(千里の半ばまでする)の2つは、ぜひやってみようと思った。
Posted by ブクログ
無意識に普通の人がやっていることを、できない人に、できるように教えてくれる本。
経験的にみんながたどり着いた工夫を、まだ知らない人に教えてくれる本。
神棚戦法は、整理整頓でよく言われる「定位置を決める」であるし、世の中で言われていることとのダブリもあるが、新しい視点、考え方、やり方も提示される。
気遣い心配り思いやりの能力が欠如した人が、形だけでもうまくやるための考え方とか。
非情にも見えるが、生存戦略。
立ち仕事の人向けの本誰か書いてよー。
飲食店勤務、看護師など
デスクワーク/外回り営業サラリーマン以外の人向けのやつー。
(就業人口比率的に需要がないのが明らかだし出版されないだろう)
著者は躁鬱があるので人生の上下が大変そうだが、最底辺の人ではない。監修の先生のコメントにもあるが、比較的軽い方とのこと。
Posted by ブクログ
人生に迷ったら白い紙の中心に『打開』と書こう。
仕事を始める時儀式をつかえ
とにかく『千里の半ば』までやれ。そうすれば、自然にやめられなくなる。
休むと決めたら絶対に休め
時間がかかることに怯えるのはもうやめましょう。ポジティブに諦めましょう。
Posted by ブクログ
先に「発達障害サバイバルガイド」を読んでいたが、この「すごい仕事術」の方が私はしっくりきた。
最初の方はほとんど同じ内容で読む必要がなかったかと感じたが、後半は自分にとって刺さる言葉が多かった。
比喩表現が素晴らしく、わかりやすかった。
Posted by ブクログ
ここで紹介されているメソッドは発達障害の人でもできるように考案されたものであり、あらゆるタスクで最低限必要なことを抽出している。これは裏返してみれば本質が詰まっているようなものであり、その観点から見ても面白かった。(コミュニケーションはリズムゲーetc)
筆者の文章力も面白さに拍車をかけている。
Posted by ブクログ
面白くて、為になる。
第1章 仕事
自分を変えるな、道具に頼れ
「ぶっこみ」「一覧性」「一手アクセス」
かばん…全てぶっこめ
バインダー…クリアファイルは一覧性不足
手帳…仕私用は胸ポケに。ゴリゴリ書いて買い足せ
大きい白紙…アイデアだすならA3の中心から
本質箱と神棚…物の置き場所。箱は3つまで
クリーンスペース…物を置かない場所。モニタは2つ
5秒儀式…床に落とせ。まずコスト投下せよ
顔と名前の覚え方…酷いあだ名を名刺にメモ
休養…優先度No.1。掃除は休養ではない
第2章 人間関係
全ての会社は部族である
「部族の掟」を知ろう
見えない通貨…人は好意へ対価が払われないと怒る
三大通貨1褒め上げ…語彙よりタイミング
三大通貨2面子…数字を競わない部門なら必須
三大通貨3挨拶…無視トラップにも絶対挨拶
祭礼「飲み会」…値踏みされる会。喋らせ褒めよ。
通過儀礼「雑談」…話題提起と同意、笑顔の通信確認
共感とは「苦労」「努力」に理解を示す事。適当で
世界は茶番だ。うまく利用せよ。
第4章
酒から「文化」が失われたら危ない。
文化を共有する友人がいなければネットがある。
第5章
価値が無くたって死ぬ必要は無い。根拠不要。
自分の欠損が免罪される外的要因は、危うい。
おわりに
少しずつだけど、発達している
ドクダミとサボテンの成長速度
Posted by ブクログ
鬱に近い日々が続いていたら「何もしない」と言う強い意志を持った行動が必要だと改めて教えてくれた。
例えばリラックスした空間を作り出す等。
ホーリーフールな人生を送っていきたい。。
Posted by ブクログ
具体的でわかりやすいライフハックが
書かれていた。
人間観察の方法も独特で
面白かった。
茶番だとわかりながらも、
茶番をこなすという考えは共感しました。
Posted by ブクログ
自責は時間の無駄。
道具は、1集約化、2一覧性、3一手アクセス
バインダーもりもり作戦。
メモ帳は一つに!パイロットの「パーソナル2」がベスト。汚くてといいからとにかくかけ!
アイデアは武器!白紙にアイデアを書いていけ。すぐに忘れてしまうから。
長期タスクは圧倒的に「取り掛かり」が一番大変。
序盤を行い、全体像が見えてきたら「千里の半ば状態」もう後戻りできない状態を作り出す。(コンコルド効果的な)
最も重要なスケジュールとは休むことである。
月末には来月の休む日を決めて、厳密に守りましょう!
見えない通貨を大事にする。「ありがとうございます。感謝します。」で購入可能な商品は多い。
褒めることは音ゲーである。見えない通貨は「褒め上げ」「面子」「挨拶」である。仕事を教わることはタダではない。褒める語彙は必要ない。タイミングが大事。相談するときは話を通す順番と優先順位に注意せよ。挨拶をしない人に挨拶をしないでいいわけではない。(下っ端が挨拶して、俺は無視したという承認を受け取る偏屈人もいるから)
歓迎会は新入りの本性を見定め、値踏みする会。絶対に無礼講はない。飲み会の鉄板は「誰かにお礼を言う話」「誰かを称賛する話」、飲み会は「ホントに疲れた」どういう気持ちで成功。「今日は楽しかったな〜」は要注意。
コミュニケーションが上手な人は言葉への依存度が低い。笑顔が大事!!
飲酒から「文化的な側面」が失われたら危ない!
休日に動けなくなったら(うつが強くなったら)
「何もしない」という動きをする。
退屈するというのはエネルギーが余っている証拠になる。
うつ集中は非合理的にさがしつづけることや単調なゲームをし続ける行為。
うつのそこは雪山で吹雪に閉ざされている状態。希死念慮がきたら、枕元に暖かくて甘い紅茶を準備し、カロリーメイトを浸しながら、遭難者のようにして食べることオススメ
根拠のない自己肯定が大事。根拠があると、その根拠がなくなったときに、自分を責めてしまうから。
ハイスコアを求める人生は終わりにしよう。
世界は「人生ハイスコア自慢大会」にみちている。
表彰台が全部埋まったとしても、自分のレースは走り切る。
死に覚えの人生
Posted by ブクログ
発達障害の良い面を探して偉人がいる事に目がいっていたが、通常は大きなハンデでしかないことを改めて自覚できた。本質ボックス、机上のもの落とし、などのライフハックはサバイバルガイドと合わせてとても役に立っている。本書は特に本音と建前がわからない人向けのコミュニケーション術が充実していて役に立ちそう。
Posted by ブクログ
良い本だった……と思う。真似したいこともいくつか……本質ボックスとか。とにかくハードルを下げてくれてるところが好感。けど、ここまで書いてくれても行動に移せない私は怠惰な読者……。いや、今度こそ実践したい。
Posted by ブクログ
お布施。半分ぐらいはおなじような経験と同じような対策をしていて笑える。まあやっていけるといいですな。
こういうガチャガチャした文章が好きなひとにはおすすめ。情報が多すぎてうるさいって人は翔泳社の「ちょっとしたことでうまくいく」シリーズの方がいいだろうけど、まあ純粋にハウツーを得るものではなく、すこしやばいジタバタも含めてそうした工夫や努力なんかに共感しつつ自分オリジナルでガチャガチャやるために読むものだろう。
個別のネタ自体はやはりこういう問題をかかえているひとがいろいろやるとだいたいこういう解決に辿りつく、みたいな感じなのだと思う。こういう努力をしなければならない理由がわからない人々もいるだろうと思うといろいろおもしろい。
最後に精神科医の先生にコメントもらってるのも用心深くてよい。
Posted by ブクログ
仕事術とは言いながら、仕事以外の時間の過ごし方も豊富に書かれている。巻末の精神科医の先生の補足にもある通り、グラデーション豊かな発達障害者全員に当てはまる内容とは言えないが、特にコミュニケーション面で何かしらの生きづらさを抱えている人にとっては参考になる内容があるかもしれない。
Posted by ブクログ
仕事や人間関係で上手くいかないことがあり、同じ業界の方がオススメしていたのが読んでみるきっかけ。筆者も言っているように、発達障害を持たない人にとっても参考にすることがある本となっていた。
ライフハックから、ADHDとASDの違いなど、広くカバーされている。
自分を変えることは難しいので、頼るところは道具などにお金をかけてでも頼る、というのはかなり刺さった。お金を削れるなら削った方がいいという考えだったので、かけるべき所にはかける、という当たり前のことだが大事なことがよく理解できた気がする。きっとそのために世間には同じ用途でも色々な種類があるのだと思う。
あとがきにもあるように、はたから見たらおかしい風習でも、それは"あなたの部族に入りたい"という事を表すもので、自分がその部族で過ごすならアピールとして必要、という考えは新鮮で、10-20代の社会を知らない/社会に出たばかりの人にも役立つように思う。
私自身はいわゆる"定型"(と思っている)だが、ADHDやASDというものはグラデーションであり、ただ診断結果として表れていないだけかもしれないし、きっと完璧な"定型"の人はいない。それぞれが上手くいかないという思いを、それぞれの重度で抱えながら、みんなが生きやすいように生きられる世の中になって欲しい。
Posted by ブクログ
タイトルを読んだ際、仕事の仕方が載ってると勝手に捉えてしまったが、そういったものはない。ミスを減らすために環境を整えることの重要性とその方法が載っている
飲み会の場を「誰かにお礼を言う」「賞賛をする」機会にするのは自分にとっても相手にとっても心地良いものなので積極的に取り入れていきたい
Posted by ブクログ
2022年18冊目。272ページ、累計5383ページ。満足度★★★☆☆ 職場・家族に「発達障害」の疑いがある方がいる場合、理解の一助になる。ご自身が「発達障害」の方にとっての「お役立ち度」は私にはわからないが、一般の若手サラリーマンが当然知っておくべき社会常識(これから廃れている可能性が高いもの含む)なんかも学べるだろう。
Posted by ブクログ
自分はいわゆる定型発達だが、以前読んだ「発達障害サバイバルガイド」の方が、スッと共感できた。
本書は、仕事をこなしていくことに焦点を絞り、著者がこれまで実践してきたことが具体的に数多く書かれている。
今回も内容はよく理解できたのだが、様々な事例について「そこまで説明しないと分からないのか。」という呆れに近い気持ちが先に来てしまい、素直に納得することができなかった。自分とはあまりに違い過ぎて。
中でも衝撃を受けたのは、『部族(会社)の三大通貨』について。著者は、金を介さない人間関係の価値基盤は「見えない通貨」だという。つまり「人間の間で流通する金ではない何か」。それは、①褒めあげ ②面子 ③挨拶。この3つを覚えれば、大概の職場で上手くいく。
人間は与えたものに対して対価が支払われないと怒る。例えば、先輩が後輩に仕事を教えるのは業務だから当然と思ってはいけない。仕事を教えてもらったら、感謝と敬意という対価を先輩に支払う。すると可愛がられて上手くいく。
②面子。これは例えば、話を通す順序。誰がボスなのかはっきりさせること。後で「俺は聞いてなかった」とならないように、顔を立てること。
③挨拶。言うまでもないこと。一つ付け加えるなら、挨拶をしない上司にも挨拶をした方がいいということ。その上司は「挨拶をしてきたあいつを俺は無視してやった」という形で面子を保っているのだそう。衝撃だった。
褒めあげも面子も挨拶も、何となくのうちに身についていた自分としては、これを言語化しないと理解できない人もいるのだということが信じられなかった。