あらすじ
49歳独身。職業・アナウンサー。これまで、いろいろなことがありました。たくさんの人と出会い、多くの言葉をもらってきました。そんなこんなを好きなように書いた本です。自他ともに認めるクロい部分も、ちょっとだけ残っているシロい部分も詰まっています。――人気アナウンサー初の書き下ろし本、待望の文庫化! 「人生で一番悩んだ決断」にいたった経緯と本心も、初めて明かしています。
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Posted by ブクログ
なんかめちゃ良かった。
有働さんの生声。
微妙な年頃、後進に道を譲るとか、お母さんの話とか、涙もろい有働さんを思い浮かべつつ、こちらまでちょっと目頭が熱くなったり、鳥肌が立ってゾクゾクしたり。
率直でいい文章書くのだなあ、と思ってしまった。
Posted by ブクログ
「個性ってどうすれば出せますか?」
確かに、私より相応しいアナウンサーはいっぱいいる。
同じような努力では、綺麗な容姿にはなれないし、美しい声にもなれない。同じことをしていたのでは、私なんて特に必要とされない存在になってしまう。
初めて、大勢の中での自分の個性、というものを考え始めた。
認識した自分は、自分に都合のよい自分の勝手な個性であって、「他人から見た個性」ではないのだということ。そのことを認識していないと、理解されない、分かってもらえない、ということになる。
私は、どんな場所に、どんな立場でいて、どういう仕事をしていて、何歳で、どういう容姿なのか。それもこれも含めてみている他人が、私のことをどんな個性の人間だと思っているのか。それさえ掴めていれば、あとは楽になる。仮にそれが、自分が思う本当の自分とは少々ずれていても、それは自分の素を理解されていない、ことにはならない。
やりがいがある、と仕事に手応えを感じ始めたのは、働き始めてから二十年も経ってからだ。私のような不器用な人間には、このくらいの時間が必要だった。
ちょっときつくでも言ってあげる方が、将来伸びるだろうなと思う若い後輩には、潔くモノを言います。ポイントは、将来それに気付かないような若者には言ってはいけないということです。人選を間違うと、「あのオバハン、偉そうにいいやがって。自分が最高だとでも思ってんのかよ。うぜえよ」と思われたままで終わる大損パターンになりますので、ご注意を。
だいたい、人にモノを伝えるって、いいことも悪いことも、すべてにおいて大変な精神的苦痛を伴うものです。人と関わらない方が、絶対傷つかないですもの。でも、関わらずには生活できない。だからいろいろとやっぱり、なるべく嫌われない方法を探りながら、今日も生きています。
Posted by ブクログ
あまりNHKを見ないので、有働さんを認識したのはほんの最近(たぶん退社のころ)。そんな有働さんのエッセイ。
私の想像では有働さんという方は、バリバリのキャリアで、何でもこなせるスーパーウーマン。そりゃNHKも受かるでしょうよと、私とは天と地ほどの差がある憧れの人。
でも本作を読むと、、共感できるところ多々、ちょっと私に近くない??(キャリアはもちろん差がありますが)
親近感がわきました。なんか嬉しい。
こういう人には人が集まってくる。それも彼女のエネルギーの一つなんだろうな。フリーになってからのエッセイも読みたいですねー^^
Posted by ブクログ
「いいときはいいときの、悪いときは悪いときの景色を味わえばいいのさ」
悪いときでも首を垂れず、周りを見渡すことができる、そういう冷静さを持った気持ちに余裕のある人に私もなりたいと思いました。
「リアルな自分を受け止め、大方の女性とは違う形になるかもしれないが、自分なりの価値観を見つけるべきではないか」
私も未婚、子どももいなくて、しかも仕事も細々やっているという多くの女性と違った人生を送っています。まだ独自で確固たる価値観を見出していませんが、それを積極的に発見する姿勢を失わないでいようと思いました。