あらすじ
「事件を解決するのは警察だ。ぼくは話をつくるだけ」そう宣言しているミステリ作家のシャンクス。しかし実際は、彼はロマンス作家である妻のコーラと一緒にいくつもの謎や事件に遭遇し、推理を披露して見事解決に導いているのだ。取材を受けているときに犯罪の発生を見抜いたり、殺人容疑で捕まった友人のため真相を探ったり、犯人当てイベント中に起きた『マルタの鷹』初版本盗難事件に挑んだり、講演を依頼された大学で殺人事件に巻き込まれたり……。結婚20年余りになる作家夫妻の日常と謎解き。図書館司書の著者が贈る連作ミステリ短編集。/解説=大矢博子
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Posted by ブクログ
タイトルだけで「あぁ、軽いヤツな。海外版ラノベな」と思っていたのだが、いやいやこれはオモロい。タイトル通り、お茶でも飲みながら、あるいは通勤電車で1編ずつとか、軽く読めるのは間違いないのだが、決してラノベではない。
日常ミステリーもの…と括ってしまえばそうなのだが、短くて(20Pくらいかな、中にはショートショート程度のものも!)かつ、起承転結はっきりしてて、ミステリー部分も抜かりなく、キャラクターの個性まで書き分けている。その上で洒落ているというかあか抜けているというか…。
重厚長大な作品もいいが、薄くても軽くても面白い小説は駈けるのだということ。星新一が教えてくれていたこのことを、歳をとって忘れていたみたい。この本を読んで思い出せて良かった。
作者の短編集がもう1冊出たみたい。機会をみて読むこととしよう。