【感想・ネタバレ】日本人のこころとかたち 文明史の立場からのレビュー

あらすじ

歴史は「人間」を中心に描かねばならない――このことを日本の歴史は忘れている。日本人は歴史好きな国民だ。しかし日本の歴史学者が描く歴史は面白くない。「学問的」=「科学的」という学問観に支配され、人間という「曖昧なもの」よりも、モノや制度という「客観的」なものに視点を置くからである。しかし、モノや制度を動かすのは「人間」であり、見るべきは人間の「心」なのである。唯物主義に徹して数々の過ちを重ねた二十世紀を超えて、今、日本の歴史が大きく復権する時を迎えている。「モノ」ではなく「心」を中心とした日本の歴史とはいかなるものか? 【内容紹介】守らねばならない「ぎりぎりのもの」/ペリー来航がもたらした「日本の覚醒」/日清戦争に見た国家存立の気概/三等国が超一等国の大英帝国との同盟に成功/日露戦争は「独立戦争」だった/ポーツマスで勝ち取った国家の理念/……。人間を中心に描いた日本の近現代史の扉がここに開く!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

「日本人のこころとかたち」 著者:中西輝政



文明史の立場から、日本人の心の歴史が

わかりやすく書かれています。

国が滅ぶとき、生き残るとき。政治と外交。



巻末の童門冬二、渡部昇一らとの対談付き。

スペシャルです。

0
2010年03月26日

Posted by ブクログ

 日本人としての心の在り方が歴史的の深いところから説明されており非常に説得力があった。
アメリカが戦争を始めるときの常套手段、「相手にまず攻撃させておいて何倍にもして反撃する」というのは現在にも生きており、手法は変わっていないと思った。

聖徳太子の外交から日本は政治的に中国から独立したという話に興味をもった。聖徳太子は外交において歴史的に重要な人物だったと分かった。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

太平洋戦争へ向かった要因として、著者はエリート層の「モラルの堕落」を上げる。また、ミッドウェイの敗戦の要因(作戦遂行を決めたことが大きな敗因ではあるのだが)として、第1に合理的に議論を進めるのでなく自らの責任を放棄し、簡単に妥協を図る安易な体質、第2に明らかにおかしな事でもツルの一声にすぐ屈してしまう集団への同調性と保身が日本人の体質としてあるとしている。
義は日本にあるが、欧米中国の策略に自ら屈してしまったと言うことであるようだ。
アジアの政治が難しいのは、裏と表のありようが欧米と違うということではなかろうか。

0
2013年12月30日

「学術・語学」ランキング