あらすじ
ふとしたことから乞食のトムは宮殿の王子となり、ほんものの王子はトムのぼろ服を着たまま街へほうり出される。そこで二人が見たものは? 知ったことは? そしてどんな目にあったか? これはユーモア作家マーク・トウェーンの傑作で、哄笑と微苦笑と涙のうちに、読者をふしぎな楽しさに導いてゆく力をもっている。
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かったです。読書をしたという気分で満ち溢れています。
言葉古いが話は分かりやすく、章の終わり毎に「これからどうなるんだ?」という気持ちでいっぱいになって、最後は一気読みでした。
それにしても、外見だけでここまでわからないとは。親まで騙されてしまうのか。奇妙な運が重なれば乞食から王にまでなれてしまう。人生とは本当に不思議ですね。
ヘンドンの立場ならブチ切れてもおかしくない態度の乞食のなりをした王子様だけど、へんドンが王子のことを可愛いと思うと、こっちもそう思えてきました。気狂いだと相手にせず、子供に慈愛の気持ちで接した騎士道が、ヘンドンの最後に繋がったのでしょう。あれは見習うべき姿勢です。
トムカンディの父親はろくでもないです。それは間違い無いのですが、かなり難しい問題ですよね。本当の王子に乞食のひもじさや苦しさ、荒々しさはわかるわけがない。そうでないといきていけない。確かに品はないが、彼らだって感情を持って人間として生きているという事を知ってしまうと、何とも言えない気持ちになりました。
小学生でも高学年の子なら面白く読めると思います。中学生から大人まで誰にでも本当にオススメできる良い作品でした。