あらすじ
なぜ昆虫は地球上でもっとも繁栄しているのか?擬態や変態、社会性など、驚くべき形態や生態をもつ理由とは?脊椎動物中心の生命史では見えてこなかった、かつてない進化の物語!
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Posted by ブクログ
現在に至る昆虫誕生の歴史を書いた本。カンブリア大爆発から白亜紀までの記述でページ数の大半が埋まっている。イモムシに卵を産み付けるカリバチが社会性を獲得する過程や翅のソーラーパネル説など他で聞いたことのない説に触れられてよかった。
また、難しい話だけでなくナショナルジオグラフィックを小馬鹿にしたり、過去にタイムスリップして脊椎動物にサンゴを投げて海からの上陸を阻止する妄想したり、随所に筆者のユーモアが挟んであるのも面白かった。
Posted by ブクログ
地球46億年を1日とすると、二時間半で生命が出現、カンブリア爆発は午前5時、昆虫の原型である節足動物の陸上進出は午後10時。石炭紀は昆虫がセルロースを消化できるよう進化したことで終わった。大量に卵を産み世代交代が早い昆虫は進化が速い。植物とあいまって細分化多様化し環境を安定させる/ラスト数秒に出現した人類は文明を持って0.1秒、ミリ秒で化石燃料を用い自然環境をせっせと破壊し生物とくに昆虫の種の大絶滅させている/Apesの狡知は歯止め無い同種殺しも招くので種の安定的生存に有利か疑問である、他の地球型惑星に多細胞生物が生まれ繁栄しているなら昆虫の可能性は高いと
Posted by ブクログ
あとがきが染みる。生物の多様性現象に目を向けず、地球外生命探査を優先する人類とは何なのか。まずはこの地球の昆虫を驚きの目で見つめようじゃないか、と。人間中心生命史観を覆す昆虫生命史観は傾聴に値する。
外骨格、小さな体、翅、変態のすごさ。
・殺虫剤への耐性を発達させた昆虫は数百種類にも及ぶが、20世紀を通して人類が特定の昆虫を根絶しようと取り組んだにもかかわらず、絶滅した種は一つもない。
・多くの生物学者は、まず植物が陸に進出しなければ、動物は陸に住めなかっただろうと考えていたが、反論の余地はある。
・陸生の節足動物が植物の上陸より何百万年も前から繁栄し、陸地で生き延びる能力を備えていた。
・翅の起源に関しては様々な説があるが、石炭紀のミシシッピ期末(およそ3億2700万年前)までに翅が出現していたという大枠が揺らぐことはない。
Posted by ブクログ
「最強」と聞いて読まずにはいられないのが男の性です。
とは言っても、本書は『テラ・フォーマーズ』の「クモイトカイコガの糸は鋼鉄の強度を持つ」のように固有種の能力を解説するものではなく、進化の歴史をたどりながらどうやって昆虫が地球一の多様性を手に入れたかを解説した一冊です。
そういった意味では雑学的な面白さはありませんでしたが、どのような生命であれ、途方もない年月がもたらす進化の過程というのは奇跡のような物語であり、この上なく面白いです。特に昆虫にいたっては始まりが古生代で、哺乳類よりも数億年も昔に陸に上がり、空を飛び、完全変態をしていたのですから。
でもこうした進化の話を読んでいると、きっと我々も宇宙に適用する日が来るのかもしれないと思わせてくれます。あるいは、全滅するのが先か。
ぜひとも子供にも読ませたい内容ですが、内容が少し難しいのでどちらかというと大人の趣味向けです。
Posted by ブクログ
普通、人々は動物というと、脊椎動物のことを言うが、節足動物も動物である。脊椎動物が地上に現れる数千年前から存在していた。昆虫もその節足動物の中のひとつである。・・・というような、現代の昆虫のことではなく、地球の歴史からみた昆虫の話が中心。