あらすじ
行き過ぎた市場原理主義、国民を過酷な競争に駆り立てるグローバル化の波、
排外的なナショナリストたちの跋扈、改憲派の危険な動き……
未曾有の国難に対し、わたしたちはどう処すべきなのか?
脱グローバリズム、贈与経済への回帰、
連帯の作法から「廃県置藩」論まで、
日本の未来を憂うウチダ先生が説く、国を揺るがす危機への備え方。
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Posted by ブクログ
2011年から2013年ごろに書かれたブログや新聞雑誌などへの寄稿文を加筆したエッセイ集。
教育がなぜ営利主義になっていはいけないか、他書で示されたことへのさらなる掘り下げがある。論じているだけで、改善すべき方向性は与えてはいないのだろうが。
数年後に再読したい本。
ここで懸念されたことから状況がよくなっていることを信じつつ。
Posted by ブクログ
内田樹という人物を知らずに読んだ。
ビジネス本ばかり読んでいたので、すごく新鮮。
国という大きな視点で見たとき、ビジネスのロジックを
あてはめるのはあまりに短期的、局所的になってしまう
のだなと感じた。
マーケットからの退場というのは、リンダクラットンの
ワークシフトにも繋がる気がする。そこでは仕事に
押しつぶされるのではなく積極的に社会と関わる選択肢
が描かれていた
今の自分の仕事をより広く、長期に見たときに
どういった意味を持つか。考えてみたくなった
◆メモ
・普通は様子見するが、人々はその時間を蛇蝎のように忌み嫌う
・企業の長期はすごく短い。短期的な視点で判断してしまう
・国が滅びても困らない人たちが国政の舵を担っている
・日本以外でも暮らせる人に権力と財が集中、彼らにとって日本でしか暮らせない人は低賃金、高品質な労働者、汎用な欲望をもつ消費者でしかない
・「うんざり」「やれやれ」という言葉には不機嫌の裏にひそやかな安心を感じている
・スピードと効率に重きを置きすぎている
・アメリカは国家としての統合軸を失いつつある
白人が少数民族になりつつある
文化の多様ではなく、分裂に近い
・我々が手したのは働き方の自由ではなく、同一労働、最低賃金だ
・マーケットからの退場よりも自主的な撤収が増える
・本当の意味の国民経済とは「12千万人がどうやって雇用を得て、所得水準をあげ、生活の安定を享受するか」下村治
・生産性の高い人間が「おれに金と権力をあつめろ。お前らの雇用をなんとかするから」という人間は、さっさと外国に逃げ出すタイプ
・ケネディがしたのはチキンレースでブレーキを踏まなかっただけ
・欧米では「政策は謝る可能性が高い」という考えから「どうなったら大失敗になるか」というシミュレーションに時間を費やす
・カリフォルニアで地元紙がなくなると、市の行政官は徐々に給与を上げ12倍にまで引き上げた。もし住民が記者を雇っていればわかっただろう