あらすじ
STAP細胞騒動で理研を退職してからの650日間。精神科入院、博士号剥奪、手記の執筆……死の淵をさまよった、孤独な闘いの記録。『婦人公論』好評連載に大幅加筆。
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Posted by ブクログ
小保方さんの「あの日」を読んだ後に彼女の本があれば読みたいと思っていてこの本を見付け読み始めた。
小説と言うより日記といった方がいいか?「あの日」を書き上げた時期の前後の時期の彼女の心の動きやその苦難の日々を彼女がこころの叫びとして書き綴ったエッセイであり日記だと思う。
あまりに理不尽な信頼していた教授や勤め先から受け続ける仕打ち、信じていた人たちの裏切り、あまりにも理不尽なメディアの仕打ちやストーリーを作った報道。人権無視も甚だしい学位取り消しありきの審査を進めた母校早稲田からの仕打ち。
その毎日を克明に記した日記には、この苦難を乗り越えるための苦行のような毎日が書き綴られている。
この本や「あの日」を書くためにフォローしてくれた編集者や寄り添ってくれた家族や親友。その中にも裏切ったり去って行った友や上司、体調不良を支えてくれた精神科医や法的に支えてくれた弁護士など、こころがこれでもかと言うほど打ちのめされながら必死で駆け抜けたあの事件の前後が克明に時系列(日記)という形で書き上げられてる。
瀬戸内寂聴さんとの出会いで心や弱った自分を支えてもらった事など、本当にこれで病気にならない方がおかしいだろうというような日々を乗り切ってこの本まで書いた彼女を褒めてあげたい。
彼女に研究という生きがいをまた取り戻せるのであればぜひその世界に戻して上げたいと思うが、ここまで日本のこの世界で叩かれたのでは難しい事だろう。
何がどこで狂ったのか?世界的な研究がどこでこんなおかしな事になったのか?元共同研究者であった若山教授のおかしな立ち回りはどう考えても許すことが出来ない。彼さえまともな対応や真実を隠さず話していればここまでおかしな事にならなかったのではないかと思う。
小保方さんがこれから何を書くのか、何をされてこれからの人生を生きて行かれるのか分からないが、これだけの逆境を生き抜いたのだからきっとこれから新しい人生を手に入れてもらいたいと願う。
出来ればまた新しい著書にも出会いたいと思う。