あらすじ
私たちヒトは,人生の3分の1を寝て過ごす。
それほどの時間を費やさねばならないくらい睡眠は重要。
では,ヒトに至るまでの動物ではどうなのだろう?
ヒトに近い哺乳類は毎日眠っているっぽいので,ヒトと変わらないくらい重要なのだろう。
となると,ヒトからさらに遠い爬虫類や両生類はどうだろう?
もっと遠い昆虫などは,そもそも眠るのか?
昆虫が眠るとすると,その眠りはいったいいつから発生したのだろう?
本書は,そんな「動物はいつから眠るようになったのか?」という疑問に着目。
最近になってわかってきた,無脊椎動物の昆虫や線虫で発見された“眠りの原型”をひもときながら,ヒトから線虫へと進化をさかのぼり睡眠を考察。
我々が日々眠いのは,怠惰なのではなく,動物の宿命だったのか!?
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
飛行機でも新幹線でも自動車でも、揺ら揺らしながらの旅はすぐ眠くなる。2、3冊の本を積読しながらウトウトするので、周りから見ると、気合いが空回りしている痛いヤツだろう(多分興味もないと思うが)。そんなウトウト状態で読んでいる本が、『動物はいつから眠るようになったのか』。今回は、随分と眠たいレビューになりそうだ。
脳があるから眠るのだ、と思っていた。身体を休めるだけなら、横になれば良いだろう。だから、脳が大きくなるにつれて睡眠が必要になるのでは。だが、そう言えばネコは人間ほど脳が大きくないがよく眠る。他にもそんな事例は多い。
なんならクラゲもハエも眠るらしい。世の中みんなスリーピー。
肉食動物、草食動物、雑食動物の代表例で見ると睡眠時間の平均は、それぞれ約13時間、7~8時間、約12時間。肉食動物は一般的に睡眠時間が長く、草食動物は短い。ヒトの睡眠時間は、ほかの雑食動物よりも短く約8時間。摂取する栄養、捕食への警戒なども影響し、時間が決まっている。
眠る時に外敵に襲われる可能性は。これはそれぞれに工夫するしかない。できるだけ安全な場所で眠る。安全性がより高い場所で眠る動物の方が、より長く眠る傾向がある。孤独に寝るより、夫婦で寝た方が眠りは深いのかも知れない。いや、そうじゃない人も多そうなので迂闊なことは言えない。
多くの鳥は寝ている間にも糞をするので、糞で巣を汚さないため、巣から尾を外に出して寝る。寝グソの自主宣言。お漏らしフラグ。
時差の影響ではないが不規則な眠りでテンションがおかしいので、この辺で。楽しい本。ゆっくりお眠り、夜のお供に。
Posted by ブクログ
睡眠の定義や種類(レム睡眠やノンレム睡眠)、各睡眠の平均的な時間や割合について、ヒト、その他哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、軟体動物、昆虫を含む節足動物、線虫(かなり原始的でありふれた多細胞生物)の各種における既存の論文の数値を紹介するという、かなり淡々とした内容。
最後には睡眠の起源についての章があるが、それほど深い考察は載っていない。
思ったよりなかなかマニアックな内容だと感じたが、睡眠についての進化生物学的な観点からの本は少なく、これはこれで知識として役には立ったと思う。
何かについて知りたい場合は多角的な観点から知識を得て考える材料にしたいのでこの本のような内容も必要だと思うが、娯楽としてはそれほど面白くはないかなというのが正直な感想である。