あらすじ
時は元和の頃、未だ徳川の時代も盤石になる以前。孫娘の和子姫を天皇のもとへ入内させることが、老家康最後の悲願であった。しかしまだ姫は齢八つ。病に臥せっていた家康は悲願達成を見ぬまま、この世を去る。一方その頃、家康の計画を未然に防ぐべく、京の公家たちが和子姫の命を狙い、刺客を差し向けていた。姫の乗った籠に凶刃が迫る…その時! 武士が一人、迅雷のごとく駆けつけ、群がる刺客を全て切り伏せたのだ! その名も家康公直参・片乞三郎信綱。天下無双にして、姫を守るために命を賭した男の、真の忠義と愛を描いた傑作長編!!
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自分の『片恋さぶろう』への端的な評価は『傑作・良作』であります
松森正先生の作画作品・小池一夫先生の原作作品は「ちゃんと完結してなくないか」というシリーズも少なからずある中
今作は最初から結末まで見事に描き切られていて長さもほどよく読後感もすがすがしいです
余談
こちらの作品は別の電子書籍サイトだと無料で最後まで読めますよ
大時代的な作品
小池一夫の原作らしい良い意味でも悪い意味でも 大時代的な作品である。真正面からなんのケレン味も迷いもなく、儒学的朱子学的な忠義に生きる主人公を描きあげている。近代的現代的な心境からは、もっと心の迷い 暗い欲望などが描かれてしかるべきではあるが、この作品はとにかくまっすぐに描いている。絵柄は劇画調ではあるがごちゃごちゃした感じが少なく、読みやすい。