【感想・ネタバレ】室町繚乱 義満と世阿弥と吉野の姫君のレビュー

あらすじ

京と吉野に二人の帝が存在した、南北朝の時代。南朝の帝の妹宮・透子は、北朝に寝返った武士・楠木正儀を連れ戻すべく、乳母と二人きり、吉野から京へと乗り込む。京についたとたん人買いに攫われてしまった二人を救ってくれたのは、猿楽師の美少年・世阿弥と、透子たちの宿敵である足利義満で……。世間知らずの姫君が混迷する時代の中で見たものは。瑞々しい筆致で描く時代小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

冒頭の数頁までは室町時代に舞台を借りたライトノベル調の内容が展開されるのかと思ったが、いい意味で予感が外れた。特に中盤以降、犬夜叉(世阿弥)や義満、楠木正儀などの登場人物たちが主人公のおてんば皇女・透子に対して語る内容は、南北朝末期の二朝の対立や陰謀渦巻く幕府の内情、民衆文化の盛り上がりなど、当時の世相を踏まえよく練られているように思う。

北方謙三の楠木正成、北畠顕家(破軍の星)、懐良親王(武王の門)を読んだ後に本作を読んだことで、南北朝時代のおおまかな展開を最初からほぼ最後まで追うことができ、1本の糸がつながったような印象。そして南朝びいきになった(笑)

カバーの可愛いイラストからライトな内容を期待した人は、逆に歴史面でディープすぎて読みづらい部分があるかも。

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2018年09月23日

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