【感想・ネタバレ】メルカトルのレビュー

あらすじ

生後まもなく、流木に乗って漂っていたところを拾われて以来、十七年間、親兄弟も親戚も友人もなく、
何ごとにおいても自らの感情を封じこめ、慎ましい生活を送ってきたリュス。十七歳で救済院を出て、
ネオ・バロック様式のミロナ地図収集館の受付で働きはじめた。化石のような地図に囲まれて、
静かでつつましい日々を送っていたはずなのに、ある日リュスのもとに、地図製作技師メルカトルなる人物から、
謎の地図が届き、次々と彼のまわりで不可思議な事件が起き始める――
往年の大女優エルヴィラ・モンド、少女たちのファッション・リーダーであるモデルのルゥルゥ、私立学校の意地悪なボンボン、
黒猫のガスパール…個性豊かな面々が、リュスの変わりばえのしない毎日にさざなみを起こし・・・・・・
かじかんだ心がじんわりほどける、とびきりロマンチックなボーイ・ミーツ・ガール!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

大学の学費を貯めるために地図収集館で働く孤児のリュス。淡々と倹しい生活をしていたけれど、ある時から様々な女性が彼に絡んできて…というお話。
長野さんの世界なので、ミロナの街や、地図や道具、食べものなどのひとつひとつの小物はクラシカルで登場人物たちもどこか外国のような佇まいで好きです。

リュスが女性たちに翻弄されているかと思いきや、接触にも淡々と反応を返すリュスに女性たちのほうが翻弄されている気がしました。
全てが整えられたお芝居だったわけですが、結果的に男女関係で深まらなくて良かったね…という相手もいました。
ダナエの正体だけびっくりしたけれど、確かに似合わないメイクしてるって描写あったもんな……そうか。
洗濯屋にも気付くのが遅い。。ニキさんは影が薄いので驚きもあまりありませんでした。

ミステリアスで面白かったです。こちらは白黒つけられないグレーな長野作品でした。好き。

0
2024年08月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

単行本が出たての頃に読んでたんだけど、主人公の名前くらいしか記憶になかったので文庫買って再読しました。

長野まゆみでよくある控え目で慎ましく生きてるだけなのに周りに振り回されとる系のやつなんやけど、いい部屋ありますだっけ?と同じで、きちんと結末があってすっきり読み終われた。
でも主人公以外の登場人物、なんでぜんぶぜんぶそっち方面に繋げようとするんやろ?これはされる側からしたらそーとーイライラするやつやで。まあ主人公も結局はムッツリっぽかったけど

表紙は単行本のがおしゃれやなあと最初は思ったけど、これはこれで可愛い。

0
2019年12月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

地図収集館で働く17歳の主人公と絡んでくる女性たち。ファンタジーのようなミステリーのような。どう展開していくかわからない面白さがある。ただ終盤の種明かしで、人情的にスッキリしないのが残念。エルヴィラの都合は理解できるが、彼女も周りもちょっと身勝手すぎないか。これでいいのか。登場人物たちの人柄(というか価値観)に、いまひとつ好感を持てない。表紙を眺めている分には素敵でワクワクするのだが。

0
2021年02月07日

「小説」ランキング