【感想・ネタバレ】自分の中に毒を持て<新装版>のレビュー

あらすじ

長年愛されてきたロングセラーが、満を持しての新装刊。 文字が大きく読みやすくなり、カラー口絵付きで、パワーアップして生まれ変わりました!“才能なんて勝手にしやがれだ” “だめ人間なら、そのマイナスに賭けてみろ”岡本太郎の遺した作品と言葉は、いまでも私たちに鋭く問いかけています。 瞬間を生き抜く、岡本太郎のパッションは、強い力をもって私たちの生命にズシンと響くのです。さあ、あなたも歓喜と驚きに満ちた人生をつかみとってください。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

圧倒的破壊力、圧倒的な生命力、
"岡本太郎"と言う人間の力そのものが湧き出るように、あるいは溢れるように文字の中に注ぎ込まれている。

そんな力に晒されながら、私たちは岡本太郎に、
いや動物としての、生物としての人間、もしくは自分自身と向き合い、そして真正面から闘うこととなる。


一貫している主張は、
とにかく闘えということ。
自らを優しく、安定した、そんな場所に身を置くのではなく、危険に晒せ、そして死に直面しろ、と。

1章は我々個人に対して、人間らしさの復権を訴えかけ、投げかける。
正直、耳が痛い。しかし、その精神はまるで輸血のように言葉が入ってくる。否応にも我々に力を与える。

2章では、太郎が"愛"について語る。
なにかのあり方に囚われる必要はない、
自らが愛せば良い、そこに返報性など要らない。
とにかく、好きなら愛せば良い。
片思いでもそれは、"愛"なのだ、と語る。

そして3, 4章は社会に対して訴えかける。
しかし我々は社会を構成する一部なのだ。
とにかくその瞬間を生きる、そして常に危険な方向へと身を置く。自らが進みたいと思う道に進む。

そこに他者は介入できない、
自らが危険と思う道に歩みを進めると言うことだ。
また芸術については、経済・政治と対をなすような、
三権分立であるとする。

芸術こそが人間そのものである、とし、
それは無目的であるからこそ良い。
ただし、無目的を与えると言う目的が与えられている状態だと言う。

言葉では表せない、そんな"爆発"の力を芸術は持ち合わせている。


太郎の思想を一貫したような記述は今はできそうにもない、それほどまでに統一性や論理性は若干の弱さを感じる。
しかし、だからこその人間を感じる。
とにかく言いたいことを言うと言うような、
あるいは溢れ出てしまう、と言うような。

そんな強すぎる主張の連続がこの作品の特徴だ。
私は完全に輸血されきったとは思わない。
カンフル剤のようなものを摂取した気分だ、
しかしこの血は流さなくてはならないだろう。

何度でも読み、自らの血とする。
この本は、十分バイブルになりうる。

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人間らしく、本能的に生きていきたい。
定期的に読み返したい本。

出る杭は打たれるとか言うけど、そんなの気にせず出ていくべし

日本人は変身しなければならない。
政治家よ、エコノミストよ、官僚よ、もっと人間になってほしい。そして芸術家に。
芸術と言っても、何も絵を描いたり、楽器を奏でたり、文章をひねくったりすることではない。そんなことはまったくしなくても、素っ裸で、豊かに、無条件に生きること。
失った人間の原点をとりもどし、強烈に、ふくらんで生きている人間が芸術家なのだ。

人間の一人ひとりはいったいほんとうに生きているだろうかということだ。
ほんとうに生きがいをもって、瞬間瞬間に自分をひらいて生きているかどうか。
システムのベルトコンベアーに乗せられ、己を失って、ただ惰性的に生活をつづけているというのなら、本質的に生きているとは言えない。ならば人類滅亡論をいうことも意味がないじゃないか。一人ひとりが強烈な生きがいにみちあふれ、輝いて生きない限り。

人間本来の生き方は無目的、無条件であるべきだ。それが誇りだ。
死ぬのもよし、生きるもよし。ただし、その瞬間にベストをつくすことだ。現在に、強烈にひらくべきだ。未練がましくある必要はないのだ。
一人ひとり、になう運命が栄光に輝くことも、また惨めであることも、ともに巨大なドラマとして終わるのだ。人類全体の運命もそれと同じようにいつかは消える。
それでよいのだ。無目的にふくらみ、輝いて、最後に爆発する。
平然と人類がこの世から去るとしたら、それがぼくには栄光だと思える。

あと意外と恋愛観が達観してて尊敬

P.S.
太陽のオブジェ作った人だったんだ!!

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2025年09月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 「ザ・岡本太郎」という感じで、今の自分に勇気と希望を残してくれる素晴らしい自己啓発本だと思います。旧装版の表紙の本人のにらみつけ方が怖いというのもありましたが、「力強く生きろ」と言われているような気がして、自分はこの写真は好きです。
 力強いメッセージが多かったです。
 「一度死んだ人間になれ」
 「人生=芸術」
 「爆発発想法」
 「幸福」という言葉が大嫌い 代わりに「歓喜」という言葉を使う
 「成功は失敗のもと」
 「芸術はきれいであってはいけない。うまくあってはいけない。心地よくあってはいけない」
 「美しいと綺麗は違う」
 「芸術・政治・経済の三権分立」
そして、有名な「芸術は爆発だ」岡本太郎のいう爆発は、全身全霊が宇宙に向かって無条件に散ることと書いてありました。自分も納得しました。

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2025年12月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本書より抜粋
・人間にとって成功とはいったいなんだろう。結局のところ、自分の夢に向かって自分がどれだけ挑んだか、努力したかどうか、ではないだろうか。
・たとえ食えなくても、本当の生き方の方向に進みたい、そう決意したいという情熱が自分を突き動かしてくる。
・恐れずに自分の内側を直視していいじゃないか。必ず心のどこかに満たされていないものがあふはずだ。
・いわゆる教育やしつけで教えたりできないものだけに、その人のセンスがひとりでに行なわしめるコケットリーが問題なのだ。
・世界中の子どもはみんな自分の息子だ、世界中の親はみんな自分の親だ、そういうおおらかな豊かな気持ちを持ちたいと思う。
・ほんとうに生きようとする人間にとって、人生はまことに苦悩に満ちている。
・モーパッサン、トルストイ、ツルゲーネフ
ショーペンハウエル
・スタンダール「赤と黒」「パルムの僧院」
・アンドレ・マルロー「人間の条件」
・実存哲学:ニーチェ、キェルケゴール、ヤスパース、サルトル

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

私は現代の功利主義や収入の多寡や学歴、読書においては年間どれだけ読んだかだけに執着するなどすべてを競う対象にしたりする風潮にひどく落胆していた。岡本はそんな社会に鋭いメスを入れ、どのように生きていくべきかを考えさせられる、人生のバイブルになりうる数多くの金言を自身のストーリーとともに語っている。我々は年を取るにつれて、日本社会特有の型にはめられ、がんじがらめにされ若き頃の純粋さや希望は消されてしまう。自分自身も時に自由奔放に遊ぶ子供たちを見て強い憧憬の念を持ちあの頃に戻りたいと思うほどだ。岡本はそんな若かりし頃のピュアな心をうちに秘め、そして自分に厳しく、社会や周りに屈しない強い芯を持ち続けることが自分の人生を歩むことであり、彼が定義する、努力する過程そのもの『成功』へとつながると述べている。自分に厳しく、そして自分の心に正直に行動していくことは時に矛盾をはらむかもしれないが、その矛盾こそも人生のスパイスととらえる。そこに人間らしさが現れる。すべてを合理的に科学的に証明しようと試み、証明できないものはなかったことのようにする、いかに効率よく生きるかを永遠に追求する(その問題が解決されることはないのに)そんな社会に飽き飽きしている読者の背中を押してくれる。
死にすぐ近いところで生きるということは生きていることの実感へと強くつながるだろうが、なかなかその点が我々にとって難しい。また生きがいをどこに位置付けるのか人それぞれであり、それは各人が決めていいものだと私は考えている。どんなブルシットジョブも誰かがやらないと社会は回らないのも事実だ。岡本は常に自由であったために自分がどういう状況に置かれようとその影響を食らうのは自分自身であったために何とでもいえるが、家庭をすでに持っている読者に死に近いところで生きろとはなかなか厳しいと感じた。自分は失うものは特にない19歳である。彼の言わんとすることはわかるが理解に躓く点もあったので、今後も考えるのを辞めずにいたい。それこそ私の生きがいなのだと思う。(たとえ解決できなかったとしても)

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

パワー溢れる本だったと思う。
自分はあまり自己啓発系の本を読まないが、この本はほぼ岡本太郎の伝記であって、濃厚な太郎の生き様が込められていたと思う。

太郎の思想はとにかく強烈で、語彙の一つ一つはかなり強いものが使われている。しかし、その内容は思ったよりシンプルで溜飲が下がる。
私が一番イイなと思った考え方は「上手くやろうなんて考えてはいけない。下手なら下手なりに自分の歌を歌えばいい。」というもので、下手でも元気に本気で歌うほど、人間は情熱を持つことができるし、人間のエネルギーをむき出しにできるというものである。これは大分励みになった。

この本は、自信を無くしがちであったり、劣等感に苛まれていたり、ミーハーな自分に悩んでいたりする人におすすめで、人間として、個人として孤独に闘い、挑戦する勇気を得られる本だと思う。

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2025年11月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

岡本太郎さんが熱く語りかけてくるような文体で、実際に声が聞こえてくるようなリアル感がある。

「人間として生きることとは」を改めて考えさせられ、そして背中を押してくれるような本。
今、何かに迷ってる人とかにおすすめかも。

個人的に刺さったのは「人間は祭りのために生きる」でした。思い返せば、自分も祭りのために生きていた(る)のかもと、妙に納得した。

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2025年10月09日

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