【感想・ネタバレ】空のプロの仕事術 チームで守る航空の安全のレビュー

あらすじ

LCCの隆盛や羽田空港の国際線増便といった明るい話題の一方で、事件や事故等も多い昨今の航空事情。それらはなぜ起きたのか、防ぐことはできなかったのか、被害を最小限に止めるには……? ボーイング747の飛行時間世界一の記録を持つ元機長の著者が、運航の最終責任者である機長をはじめ、管制官など運航に携わる様々な職種にスポットを当て、チームとしての連携がいかに安全運航にとって大切かを、自身の経験や過去の事故事例をもとに解説。航空従事者だけでなく一般利用者など全ての人達に向けて、航空の安全の視点から見た“プロフェッショナルな仕事のあり方”を提言する。

杉江 弘(すぎえ ひろし)
元日本航空機長。1946年、愛知県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、日本航空入社。DC-8、ボーイング747、エンブラエルE170などの機長として、国内線と国際線のほぼ全ての路線に乗務。ボーイング747の飛行時間では世界一の記録を持ち、首相フライトなど特別便の乗務経験も多い。同社運航安全推進部在籍時には、航空界の安全施策を立案推進した。近著に『ジャンボと飛んだ空の半世紀』(交通新聞社)、『危ういハイテク機とLCCの真実』(扶桑社)、『マレーシア航空機はなぜ消えた』(講談社)がある。本書では写真も担当。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

オペレーションに関しては「軍事」「医療」「航空」の現場に携わった方の知恵が一番信頼できる。これらに共通しているのは「失敗したら命が失われる」現場であるということである。

さらに「航空」については、30年前に読んだ『大空港25時(鎌田 慧著)』以来、心を引きつけられる分野でもある。

今回、偶然かつ何気なく本棚からとってみたが、以前読んだ「機長の『失敗学』」を著した方と知ったのは最後の著者紹介のところであった。

本の中身についても、いろいろな事故からの教訓、および提言に飛んでおり、非常に興味深く参考にさせられたところも多い。

特に印象に残ったのは、最後の章のエピソードである「著者が副操縦士であった時に、機長の意に反してコントロール権を握った」ところである。

いざというときに、その後の人間関係や昇進などといった雑念に惑わされることなく与えられた職責を全うできるか、というのは、まさしく普段から「何を優先させなければならないか(この場合は乗客の安全)」といったことを信念として持っていたからに他ならないからであろう。

日々のオペレーションに携わる人や、信念を持って仕事をしたい人、また、単に航空業界に興味がある人にもお勧めしたい。

0
2020年07月08日

Posted by ブクログ

2014年のマレーシア機撃墜事故にも言及しており、新しい事象も網羅している。

国際線の操縦士は昔から英語の資格が必要だと思っていたけど、2008年から必要(航空英語能力証明)になったとのこと。
また、政府専用機をB747-400(4発機)からB777-300ER(2発機)に変更することはいかがなものか、といったコラムはなるほどそういう考えもあるな、と納得。

0
2015年12月10日

「趣味・実用」ランキング