【感想・ネタバレ】観覧車のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

目次
・観覧車
・約束のかけら
・送り火の告発
・そこにいた理由
・砂の夢
・遠い陸地
・終章、そして序章

柴田よしきの、プロ作家としての初めての作品ということもあって、ちょっとまだこなれてない部分もあるけれど、面白く読んだ。
結婚して一年で失踪した夫が遺した探偵事務所を、彼の帰る場所を守るために引き継ぐ唯が主人公。
いくつかの事件は、唯が夫を探すための手掛かりにもなる。

ちょっとネタバレになるので詳しくは書きませんが、単身赴任のお父さんのために娘が作った手作りチョコを送るという妻に、「帰って食べるから送らなくていい」という夫。
これはひどい。
夫の本心は、もう食べることができないから送らなくていいということだったんだろうけれど、却って食べると言われた家族は、彼の帰りをずっと待っていたはずだ。
そこに思い至れないほど追いつめられていた、ということも言えるけど。

それに対して唯は、”男は、嘘をつくのだ。決してついてはならない、嘘を”と憤るのだけど、解説の新井素子が、恋愛経験値が低いけど…といいつつ別の見解を述べる。
”男って、決してついてはならない嘘をつく生き物なのと同時に、”約束”と”希望的観測”の区別のつかない、単なる莫迦なんじゃないのか?”

ああ、なるほど、確かにね。
私も何度か起ったわ。
ぬか喜びさせるな!って。

だけど唯の夫は10年も失踪しているのだよ。
目撃されたこともあるから、生きていると思われる。
なら、なんらかのアクションを妻にしてしかるべきなんじゃないの?
死亡届けを出すのもご勝手にってのはもう、妻に対して無責任以外の何物でもない。

もちろん夫には夫の事情もあるだろう。
だけど、あまりにも自分の事情しか考えてないと思うのだ。
唯の夫も、約束と希望的観測の中で揺れたかもしれないけれど、ひとりの人間の人生を束縛するには、10年はあまりに重いと思うんだよね。

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2021年09月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

失踪した夫を、探偵業を続けながら待ち続ける主人公。主人公が待ち続ける中で請け負った事件を描く連絡短編集。
舞台が滋賀・京都(最後は佐渡やけど)がベースなので、町並みがリアルに想像できるだけにそれだけでも親しみを覚える。
(ただし、関西弁の文章表記が嫌だという人には向かないかも;;)

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2011年07月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

≪内容覚書≫
夫、貴之が失踪して、5年。
妻の唯は、夫が戻ってくると信じ、調査事務所を引き継いだ。
夫を待ちながら、さまざまな調査を引き受ける。
そして、ある調査の最中に、唯は、貴之の姿を見かけた…。

唯の調査の短編連作集。
男女の関係がテーマ。

≪感想≫
…完結、して、ない……。
「回転木馬」まで読まないとダメな作品。

一つ一つのお話は、面白い。
奥さんのために、和菓子を買いに行った旦那さんの話は、
ちょっとほろりとした。

個人的には、唯のようには生きられない。
唯には共感できない。
多美子さんの方が共感できるし、一緒にいて楽しそう。
たまにすごく腹も立ちそうだけれど。

ただ、唯のように、悩みながらも、
夫を信じようとして、ひたすら生きるのも幸せなのかもしれない。

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2011年03月09日

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