【感想・ネタバレ】プラチナタウンのレビュー

あらすじ

大手総合商社・四井商事の部長・山崎鉄郎は、社員採用試験をめぐるちょっとした手違いで出世コースから外されクサっていた。そんな折、中学時代の同級生・熊沢から、故郷である東北の田舎町・緑原町の町長になってくれと懇請され、酔った勢いで承諾した。エリート商社マンの職を捨て故郷に戻った山崎は、みごと町長に就任したが、生まれ育ったその緑原町は、莫大な借金をかかえた財政破綻寸前の自治体だった。私腹を肥やそうとする町議会のドン、さらに田舎特有の悪弊・非常識と闘いながら、山崎は町の再生を期して仰天の計画を案出する。それは老人施設を中心にした巨大テーマパークタウンの建設だった……。鋭い社会分析と卓抜のアイデアで評判を呼び、WOWOWでもドラマ化された傑作小説が待望の電子化!高齢化ニッポンに生きる現代人必読の1冊!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公は大手総合商社で部長職にある山崎鉄郎。ひょんなことから退職を余儀なくされ、多額の負債を抱えた生まれ故郷 緑原町の町長として、財政再建に取り組むことになる──。
物語が進むに従い、山崎は主人公というよりやや語り手のポジションにシフトし、財政再建の決定打となる「プラチナタウン」のプロジェクトが主人公のようになっていく。地方の高齢化と人口減少、箱モノ行政による財政赤字、都市部での老後生活支援の不足、進まぬ介護職への処遇改善…。本作が世に出たのが平成20年。それから15年以上経った今でもほとんど解決の目処が立たないこれらの問題を、大胆な発想と実行力で一気に乗り越えていくプロジェクトだ。とても痛快!
ほんとうにこんな街が出来たらいいな〜。

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2025年10月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

相変わらずこの筆者の作品は読みやすい。

高齢化が進む今、田舎に丸ごと高齢者の町を作るというビジネスモデルはすごく画期的であるし、実際に出てきてもおかしくなさそうや気がする。

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2022年12月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

絵にかいたような順風満帆のサクセスストーリーで物語としてはちょっと物足りない。
伏線も回収せずヒールが小物なせいか勧善懲悪もあっけなく、消化不良気味。池井戸潤ならもう少し盛り上げてくれそうな気がするなぁ、なんて。

とはいえエンターテインメント小説としては良いとは思います!

つーか現実になんでこんな施設ないんだろ。定年迎えたら入りたいけど。

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2020年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

作品が平成20年に刊行されたもの。当時は高齢化社会を通り越して高齢社会になって、そろそろ超高齢社会だぞって時代。そして地方自治の在り方が問われていた時代。

そこに、高齢者向けの街を地方に作ってはどうだと一つのアイデアを投じたような作品。

面白かった。
現実そううまくはいかないだろうけど、面白かった。

でも…街づくりにあたっての描写も細かく、相当に練られた作品ではあったと思うけど…。確かにビジネス的なアイデアはおもしろいけど、人物描写、人間関係の描写があっさりしてる気がした。

もっと語れる部分はあっただろうし、現実はもっと複雑。
人間同士の利権をめぐる争い、価値観の相違による弊害はもっとあるはず。家族との描写や家族自身の描写もちょっと中途半端感は否めず。中盤以降家族の存在が一切消えて、最後まで出てこなかったんですけど。人物描写よりはビジネスモデルとしてのアイデアを見せたかったんだろうね。

超高齢社会の日本と地方自治というテーマはかなり根深い問題があるし、だからこそもっと色んな角度からいろんな人の視点から描けたんじゃないかな。そういう描写が少なかったからこそ、「事はそう簡単に進まないだろー」という感が最後まで拭えなかった。それはあれば最高に面白い本だったし文句なし星5つ。

もっと長編ですればいいのに!

でも本当にアイデアは面白かった。

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2018年09月17日

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