あらすじ
私は誰?円柱形のボディに特殊ラバーの腕。プログラミングされた高度な知識と技術で、難病の子供や末期癌患者たちを介護すべく活躍を始めた〈ミキ〉。生と死が隣り合わせの現場で激しく揺れる心、なぜか甦る奇妙な記憶。私は本当にロボットなの?「自分探し」をするミキが“人間とは何か”を問う、感涙の近未来小説誕生!
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Posted by ブクログ
SF。
看護用ロボット、ミキ(三番目の機械)の自分探し。
外科・小児・ホスピスと、ミキは体験していくにつれて自分とは何かを気にし始める。ロボットゆえに差別され、ロボットゆえに頼りにされて、でも……、ロボットであることを諦めてしまう自分に気がついて、何を諦めるのか自問自答するのだ。
ラストで、不覚にも涙ぐんでしまった。
「裸眼で見たかったの お父さんとお母さんの顔」
そこから、思い出の部分で。
なんで哀しいのか、説明できませんが。
哀しいのです。
自分が猿だと忘れさせられて、ロボットだと思い込んだジミーの哀れさも。
自分がロボットだと思い込まされて、それでもホスピス(終身医療)という過酷な生命の現場で、女の子の得る哀しさも。
それにしても、この設定は凄い。
究極の医療介護。自己介護。ロボットを自分で操って、自分で介護する。
文句のつけようもない。だって、自分がやっているのだから。
こんな時代が来るのだろうか。
そうしたら、人は今より少し、寝たきりになるのが楽かもしれない。心情的にね。