【感想・ネタバレ】仕事に効く教養としての「世界史」のレビュー

あらすじ

日本を知りたければ、世界の歴史を知ることだ。そして、歴史を自分の武器とせよ!京都大学で「国際人のグローバル・リテラシー」歴史特別講義も受け持った、ビジネス界随一の歴史通が著した待望の1冊。目からウロコの、人類5000年史から現代を読み抜く10の視点とは? 単行本の大反響と全国からの熱いリクエストに応えて、緊急電子化!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

高校時代に学んだ世界史とは全く違う観点からの世界史に引き込まれました。
終わりに、に書いてある
人生の出来事に一喜一憂するのではなく、長いスパンで物事を考え、たくましく生き抜いてほしい、そのためには、目前の現実にばかり心を奪われることなく自分のアンテナを高く広く張り巡らして勉強してほしい、
人間万事塞翁が馬、ラクあれば苦あり
をこの本に書かれてある膨大な歴史の流れから感じました。インドの紅茶の苗木が中国から盗まれたものであることは全く知りませんでした。

0
2019年04月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

言わずと知れた保険会の風雲児、出口さんの手からなる歴史本です。
氏の歴史への造詣の深さは昔から有名で、どのような内容にまとめられているのか興味があり、購入しました。

章立てもなかなか独特です。

 第1章:世界史から日本史だけを切り出せるだろうか
 第2章:歴史は、なぜ中国で発達したか
 第3章:神は、なぜ生まれたのか。なぜ宗教はできたのか
 第4章:中国を理解する四つの鍵
 第5章:キリスト教とローマ教会、ローマ教皇について
 第6章:ドイツ、フランス、イングランドー三国は一緒に考えるとよくわかる
 第7章:交易の重要性ー地中海、ロンドン、ハンザ同盟、天才クビライ
 第8章:中央ユーラシアを駆け抜けたトゥルクマン
 第9章:アメリカとフランスの特異性ー人工国家と保守と革新
 第10章:アヘン戦争ー東洋の没落と西洋の勃興の分水嶺
 終章 :世界史の視点から日本を眺めてみよう

東西をおさえてはいますが、一見して内容の網羅感はありません。
これは頁数の関係なのでしょう。

***

本書の特徴は大きく2つあるように感じます。

1つは出口さん独特の歴史解釈です。
歴史の事象を額面通りに説明するのではなく、彼独自の解釈や視点から「実はこうだったんじゃないの」と随所で述べています。
例えばかの有名な三国志では、蜀の天才軍師・諸葛亮が幾度となく北伐(北魏への遠征)を実施する。
しかし国力でいうと、蜀を1とすると呉は2、魏に至っては4です。つまり諸葛亮は国力が4倍にも相当する魏にケンカを売っているわけで、勝ち目があるかはなはだ疑問です。当時の国民は度重なる軍役や増税で怨嗟の声を上げたことでしょう。
出口さんはこの諸葛亮の行為を
なぜこういうタイプの人物が生まれてくるかといえば(文書媒体の発達により)、後世で高く評価されるからこういう行動に出る

つまり木簡や紙の発明により歴史が「残るもの」となったことが、人々の行動を規定した可能性を述べるのです。これは面白い(本来の発想としては、歴史は「結果として」残るものであり、歴史に残ることが人々の行動を規定するとは考えない)。

もう一つは、歴史的に難解、あるいはこれまでの教科書ではな堅苦しいステレオタイプな説明に終始している歴史背景や経緯を、身近で分かりやすい表現で解説している点です。
例えば「第4章:中国を理解する四つの鍵」では、4つのポイントで中国の特徴を解説(多少無理やり感はあるがわかりやすい)。
その中の一つ、「諸子百家」の解説では、この思想群は対立していたのではなく、住み分けられていたと述べた上で、

**********
法家は霞が関、儒家はアジテーション、墨家は平和デモ、それを冷ややかに見ている知識人は道家
**********

と例えている。面白い表現で、かつわかりやすい。とても学校教科書ではお目にかかれない解説内容です。こういった、我々の足元まで下りてきて解説を行っている箇所が至る所にある。非常にわかりやすい内容になっています。

これら2つの点から、本書は歴史書としてはユニークで親しみ深いといえます。
そして何よりも出口さんの浩瀚な歴史知識に驚かされます。
(独特に解釈したり簡易な説明に変換できるのは、豊富な知識量と自ら考える姿勢のなせる業なのでしょう。)

***

本書の初版は2014年なので読むのに今更の感があります。
それは個人的な好みの話が関係しています。

そもそも私は「仕事に効く・・・」的なタイトルをあまり好みません。
(例えば「ビジネスに活きる哲学」的なコンセプト、ああ、気持ち悪い。。。)
何らかのビジネススキルの伸長を目的に人文学を「応用する」という発想は邪道に感じます。
これら学問はビジネスを目的に考究されたわけではなく、その学問本来の意図や目的があるはずです。まずはそれを学ぶべきではないか。

本書を手に取った際も同様の感覚を覚えましたし、同時に「何がビジネスに効くのか?」という点が気になりました。
そしてあとがきを見ると以下のように書かれていました。

**********
ある生命保険会社に勤めていた時、子会社への出向を命じられました。(略)けれども、別に自分が不運だとは思いませんでした。
・・・
小さい時から歴史の本を読むのが好きでした。(略)歴史を見ると順調に出世するなんて奇跡に近いことです。(略)運や偶然に振り回されてむしろ当然なのです。
・・・
歴史を学ぶことが ”仕事に効く” のは、仕事をしていくうえでの具体的なノウハウが得られる、といった意味ではありません。負け戦をニヤリと受け止められるような、骨太の知性を身につけて欲しいという思いからでした。
**********

これを見て、本書を買おうと決めました。

0
2019年03月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

忙しくても読んじゃう、というほどは相性ではなかった。少し時間ができたら読もう。
201709再読。これって見方として新しいんだろうか。よく書けてると思う。
201803再読。流れのつくり方がうまいんだな。こうやって何回か読んでいくほうがいいのかもしれない。

0
2018年03月06日

「学術・語学」ランキング