【感想・ネタバレ】神々の乱心 上のレビュー

あらすじ

昭和初期を雄渾に描く、巨匠最後の小説。
満洲と日本を舞台に描いた未完の大作千七百枚

2018年3月、NHK『100分de名著』でも取り上げられる、松本清張渾身の遺作!

昭和八年。東京近郊の梅広町にある「月辰会研究所」から出てきたところを尋問された若い女官が自殺した。
特高課第一係長・吉屋謙介は、自責の念と不審から調査を開始する。
同じころ、華族の次男坊・萩園泰之は女官の兄から、遺品の通行証を見せられ、月に北斗七星の紋章の謎に挑む。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

埼玉県特高課係長の吉屋は、月辰会研究所に目を留めた。宗教団体だろうか?天理研究会事件を思い出したからだ。案内の警察署長は宗教団体ではなく、占いをしているようだという。東京方面から自動車で来る人もいるとか。しばらく様子を窺っていたら、その研究所に呼ばれたタクシーに女性が乗って出てきた。駅前でその女性に会のことを尋ねようとしたが、拒否され、仕方なく警察署まで同行してもらったが、名前は言うがどうしても身分を明かさない。無理を言うと包みを抱えて離さない。無理にその包みを取り、中を覗いて驚いた。「深町女官殿」と記された封書が出てきた。そして、バックからは「宮内省皇后宮職」職員「北村幸子」という名刺が出てきた。驚いた吉屋と署長は彼女に謝って引き取ってもらった。その後しばらくしてから、北村幸子が宮城を辞め、吉野の田舎に戻ってすぐに吉野川に入水自殺をしたと知った。なぜ彼女は自殺したのか、自分の強引な訊問が影響しているのか、それを突き止めたい気持ちにかられる吉屋であった。

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2019年03月11日

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