あらすじ
猫も杓子も生産性、でもほとんどの議論は間違いだ!
『新・観光立国論』(山本七平賞)で日本の観光政策に多大な影響を与えた筆者が、
今度は34年間の集大成として「日本経済改革の本丸=生産性」に切り込みます。
読めば納得、目からウロコ、歯に衣着せぬ「アトキンソン節」、全開!
【本書の内容】
・「良いものをより安く」が国を滅ぼす
・日本企業の数は「いまの半分」でいい
・最低賃金を上げて「経営者」を追い込むべし
・かつて「人口が半減した国」に学べ
・「女性優遇」では生産性は上がらない
・生産性を高めないのは「親を見殺しにする国」になる道 他
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
日本人は「生産性」と「効率性」を混同しています。
たとえば、誰も求めていない商品を「効率よく」つくることは可能です。
しかし、売れない以上、「生産性」はゼロです。
生産性のないもののことを、無駄と呼ぶのです。
――デービッド・アトキンソン
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
感想
生産性上げてGDP増やさないと、社会保障制度維持できない、国の借金を返せない。
よ
手段
生産性の向上
・同じ人数でより多くの付加価値
・少ない人数で今までと同じ付加価値
→2つ両方必要
そのために、
人材の適材適所、適量労働
→女性の就労とその補助
→いらない企業廃止
→最低賃金up
1章
生産性が同じだとGDP縮小する理由→2060年には労働人口が今と比べて40%
縮小してはいけない理由→医療費負担ができなくなる、国の借金を返せない
2章
生産性→購買力調整済みの一人あたりGDP
世界GDPランキング 3位
しかし、
一人あたりGDP 28位
就労者あたりGDP 29位
→一人当たりの生産性の低さが尋常ではない
GDPを増やす=付加価値を増やす≠利益を増やす
GDP=付加価値の総和=金利、配当、企業の利益、税金、給料
内訳の比率をどうにかするのではなく、生産性を上げてパイをおおきくする
生産性≠効率生
4章
日本の女性の生産性は男性の半分。
日本の社会保障はアメリカではなく欧米のものを参考にした。
欧米も男尊女卑はあったが、少ない人口でGDPを上げるために、男女の生産性を上げるための施策や制度が生まれた。
イギリスでは1991年までは、妻は夫の性行為を断ってはいけないという法律があった、
5章
他の国は労働者の質と生産性の相関がある。日本は質は世界4位だが生産性は先進国でビリ。これは経営者の問題。適材適所ができていない。
1958年は会社に対して新卒の数は3.2、2015年は0.28
→生産性の最大化のために人材の適材適所が必要
6章
中小企業減らすべき
理由 中小企業の中には低生産性低賃金なものが多く、GDPに貢献しない、従業員の消費が抑制される。貴重な人口の一部を非生産的な中小企業に留まらせるより、より生産性が高く給与が高い企業に送り、国の生産性を上げることが重要。
移民
移民が来ると、上記の中小企業を生き残らせることになる
Posted by ブクログ
論理的に、数字をベースに、現状の日本の状況を説明している。GDPの状況などをかっくこと比較し、生産性=一人あたりのGDP を上げる必要性を説いている。
私も日本の異常な高品質と低価格は懸念をいただいているため、非常に興味深く読めた。
さまざまな統計情報もあるため何かの説明の際にもベースになる数字知識として活用できそう。
また、日本は根拠の検証をしない国、というにも非常に納得がいく。
22 日本は世界第3位のGDP。
人口数は11位で1億以上は13カ国しかない。
先進国の中で1億以上なのは米国と日本だけ。
25 生産性向上率は126位
56 生産性=1人あたりのGDP★
60 1人あたりのGDPは28位。
日本のGDPが高いのは人口が多いから。
144 日本は本当に根拠の検証をしない国
225 IMD World Digital Competitiveness Ranking 2017
によると、日本のデジタルインフラ競争力は6位と高い。すじゃす、」企業の機敏性は57位で、データを使う能力は59位。
Posted by ブクログ
「新・所得倍増論」の続編。
日本の生産性が低いという話を前提に、日本が陥っている勘違いから脱却し、これから何をしていくべきかという議論が展開されている。
主張の軸は、前編に引き続き
・企業数を減らす(生産性の低い企業が淘汰されるようにする)
・最低賃金を上げる(欧州で失業率は増加しなかった)
・女性の活躍できる環境を整える(女性を全く生かせていない、子どもが一人以下の夫婦で専業主婦は福祉社会におけるフリーライダー)
というようなもの。
どれも合理的で納得がいくけれど、少なくとも中年以上の日本人には受け入れられないだろうと感じた。
最近若い世代を中心に人気を集めているひろゆき氏と同様、「賃金の高さが重要」という話を当たり前のように話している。
この辺はデフレが当たり前になり、経済失策を正当化(or単に無知であることを正当化)するために、「お金が全てではない」というきれいごとにしがみつく日本人にとっては受け入れがたい事実かもしれない。
筆者の言う通り、「福祉社会の維持にはお金がかかる」。それに尽きる。福祉社会を維持したいのなら、生産性を上げて経済成長するしかない。それに反発しておきながら、自分は福祉社会の恩恵にあやかろうとする人も、フリーライダー同様、社会にとってはマイナスということになってしまう。
本論とは全然関係ないけれど、「家を買って仕事のモチベーションを上げる」という話は面白かった。確かに、人間追い込まれないと頑張れないですからね。
Posted by ブクログ
日本の生産性について
日本は経済大国なのは人口大国だったから。
・日本の人口が減少していく今、生産性を上げなくては、日本経済が経ち行かなくなる。日本の抱える借金や今の社会保障制度を維持するためにはGDPの維持は必須。
生産性はGDPを国民の数で除したもの。
そのためには生産性を上げる必要がある。
では、どのように上げるのか。日本は何がいけないのか。
・移民を増やすと言う考察。2060年ごろまでに3400万人の労働人口が減少する。これを移民で補うと実に5人に2人が移民になると言う。(数字はうろ覚え)
・高齢者に働いてもらうと?そもそも身体的能力が衰えてくるので、現役世代と同等に考えることはできない。
・高品質、低価格
価格を下げても、人口減少により、そもそも買う人が減るから、売上は伸びない。
求められてもいない、企業の独りよがりな高品質で、売上は伸びないし、社員には無駄に高い負荷。(マーケティングで市場の求めるものをきっちり把握)
それに高品質・低価格は伝統的な価値観じゃない。
・女性の活躍
今は、昔に比べ、家事労働がかなり楽になっている。だから、子供の手がかからないときは、女性も働くべき。そうすれば、外食や贅沢、ハウスキーパーなど、様々なことにお金を使うようになる。これは経済成長にとって好循環。沢山稼いで沢山使う。
・経営者が無能。
労働者の質は世界的に見ても、日本は高い。
生産性の低い企業は淘汰される。そういう国に不利益になる企業をわざわざ国は守らなくても良い。悠長に守っている場合じゃない。もう悠長ではいてはいけない。
・その他
企業が上げるのは利益ではなく生産性。同じ売り上げの中で、社員の給与を減らして相対的に利益を上げるのではなく、付加価値を高めて、売り上げを上げて、社員の給与も利益も上げる。
効率を上げるのではなく、生産性を上げる。いかに効率よく仕事をしていても、無駄な仕事があったりする。そんなのを効率良くしても意味がない。無くした方が良い。