あらすじ
ドンデン返しの魔術師が送り出す究極のサスペンス!
たったひとつのミスが警護対象者と自身の死につながる。敵は精妙な計画を立て、標的のスキを突く一流の戦略家だ。やつの狙いは何か。次なる襲撃への備えを固めながら、コルティは事件の源泉を探り、反撃の策を練りはじめる。これぞディーヴァーの真骨頂! プロVSプロのゲーム性を研ぎ澄ましたノンストップ・サスペンス。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ディーヴァーのノンシリーズ。
殺しのプロと擁護のプロの戦い。
珍しく一人称です。
これがすごい閉塞感を生む。
狙っている殺し屋が誰か、わかっているけれど、それだけ。守る方も守られる方も、一体なぜ狙われるのかわからない。で、一人称だから、主人公が知り得ないことは絶対わからない。
なんか、夜中にやたらカーブの多い山道を走ってる感じだった。しかも、注意してゆっくり行くのではなくて、高速で走っている。
その中で、主人公の人となり、そしてそのチームのつながりが、エンボスのように浮かんでくる。
また、殺し屋の姿もそれなりに明確になってくるのだけど、そっちは逆光の中の像のように感じた。
この感触の違いをかき分けられるのがディーヴァーのすごいところだとしみじみ思った。
も、何書いてもネタバレになりそうなので…。
ともあれ、何一つ確実なものはない、信頼や信用も暴力の前では頼りないし、愛情ゆえに家族は揺らぐ、そんな不安定な世界の中で、己だけを核として立ち続けることはたやすくない。
きっと、なにもかもが不安定であると感じない、イメージできない人は、それは問題ではない。
が、殺し屋にしろ主人公にしろ、それとは真逆の繊細さを持っている。というか、感覚に愚鈍では仕事にならないだろう。
そして、そのことそのものが最大の矛盾なのだ。
…矛盾と向き合う、対峙する、そういう物語だったのかもしれない。
Posted by ブクログ
ジェフリー・ディーヴァー『限界点 下』文春文庫。
下巻。成る程そう来たかという展開もあるのだが、全体的にはやはり不発だった。帯にあるような『ディーヴァー流サスペンス これぞ真髄!』ということは無かった。リンカーン・ライム・シリーズの方が、絶対安定の面白さだし、ノンシリーズ作品では『悪魔の涙』と『青い虚空』の方が圧倒的に面白かった。