感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2018年08月18日
ディーヴァーのノンシリーズ。
殺しのプロと擁護のプロの戦い。
珍しく一人称です。
これがすごい閉塞感を生む。
狙っている殺し屋が誰か、わかっているけれど、それだけ。守る方も守られる方も、一体なぜ狙われるのかわからない。で、一人称だから、主人公が知り得ないことは絶対わからない。
なんか...続きを読む、夜中にやたらカーブの多い山道を走ってる感じだった。しかも、注意してゆっくり行くのではなくて、高速で走っている。
その中で、主人公の人となり、そしてそのチームのつながりが、エンボスのように浮かんでくる。
また、殺し屋の姿もそれなりに明確になってくるのだけど、そっちは逆光の中の像のように感じた。
この感触の違いをかき分けられるのがディーヴァーのすごいところだとしみじみ思った。
も、何書いてもネタバレになりそうなので…。
ともあれ、何一つ確実なものはない、信頼や信用も暴力の前では頼りないし、愛情ゆえに家族は揺らぐ、そんな不安定な世界の中で、己だけを核として立ち続けることはたやすくない。
きっと、なにもかもが不安定であると感じない、イメージできない人は、それは問題ではない。
が、殺し屋にしろ主人公にしろ、それとは真逆の繊細さを持っている。というか、感覚に愚鈍では仕事にならないだろう。
そして、そのことそのものが最大の矛盾なのだ。
…矛盾と向き合う、対峙する、そういう物語だったのかもしれない。
Posted by ブクログ 2018年04月30日
「リンカーン・ライム」シリーズが三人称の形で記述されているのに対して、この作品は一人称の形で記述されている。そこには主観が入った形で記述をされているので、少し違った趣がある。
主人公たちの洞察力が優れており、本当にとっさにそこまで気が付くか?と疑問に思うところがあるのは同じかな。
主人公は四肢麻痺で...続きを読むはないので、安楽椅子に座って思考をめぐらして解決に導くのではなく、自分から仕掛けて解決に導くところが一番の違いだと思う。