あらすじ
今一番楽しみなのは村木嵐だ――と葉室麟に言わしめた作家による骨太な歴史小説。江戸に幕府が開かれて五十年余り。後に越後高田藩筆頭家老になる小栗美作は、大地震の後処理で手腕を発揮し、藩主・松平光長の信頼を勝ち取る。しかし光長の嫡子が亡くなると藩内は真っ二つに割れ、御家騒動へと発展。美作は否応なく、その渦に巻き込まれていく。そんな高田藩を取り潰そうと幕府は虎視眈々と機会を窺っていた。逃げず、媚びず、諦めず――藩を守るため、次々に襲いかかる難題と懸命に戦った男の生涯を感動的に描く歴史長篇。伊達騒動を描いた『樅ノ木は残った』を彷彿とさせる力作。
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Posted by ブクログ
江戸時代家綱-綱吉将軍時代に起こった高田騒動を小栗美作を主人公に書かれた小説。筆者は司馬遼太郎のもとに修行しており、現在も奥様の秘書をされているそう(あとがきより)
酒井雅楽頭は切れ者曲者のイメージが強かったが、高田藩には特別配慮している、融通のきくお偉いさんという感じ。
美作は藩政に辣腕を奮い、地震後の立て直しや石高を増やすなどの能力の凄さはわかったが、そこに至るまでの思考や個人の魅力をもう少し厚みを持たせて描かれてもよかったのではないかと思う。
河村瑞賢を招いたシーンはよかった。
途中「この会話文は誰の言葉?」と思う部分があったり「ページ脱落してる?」と思うように飛躍する部分があったように思う。(読解力不足かもしれないが...)
後半、「女の寝姿のような赤松」という表現が多々出てくるが小説全般への象徴という印象もなく、違和感があった。
小説によって越後騒動の流れを楽しく学べた。