【感想・ネタバレ】日本語のためにのレビュー

あらすじ

日本全土の地理的な広がりを背景に生まれた、日本語・漢語・アイヌ語・琉球語といった多種多様な「日本語」のサンプルと論を、古代から現代まで、時代を超えて収録。古代に生まれた祝詞から、仏教やキリスト教の言葉、琉歌、いろはうた、辞書の言葉、また「ハムレット」や「マタイによる福音書」の翻訳比較、日本国憲法などを手がかりに、「日本語」そのものの成り立ちと性質を明らかにする。祝詞「六月晦大祓」(池澤夏樹・訳)、「ハムレット 第三幕第一場」(岡田利規・訳)、「終戦の詔書」(高橋源一郎・訳)は新訳で収録。かつてない視点による画期的アンソロジー。

解説=池澤夏樹
月報=鷲田清一・柴田元幸

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Posted by ブクログ

気を紛らすために3日ぶりに読書再開

良い編集の本だった

祝詞にはじまって、漢詩、仏典、聖書、琉球語、アイヌ語、憲法、現代語、、、

日本語の広さを知るのに、他にない良い編集

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2018年11月18日

Posted by ブクログ

ケルアックの「路上」から石牟礼道子の「苦界浄土」まで、世界文学の傑作を新訳メインで提示した世界文学全集に続き、池澤夏樹が日本文学を独自のパースペクティブで編纂する日本文学全集シリーズの1冊。他の作品が全て、特定の作品・作家を対象としている中、本作だけは「日本語のために」と題打たれ、歴史的・地理的に変化を遂げてきた日本語そのものを対象とし、その全体像を示す。

収められているのは、祝詞、アイヌ語、琉球語、憲法、聖書、日本語の文法論、漢語など、それぞれのジャンルでの第一級の文章が収められている。琉球語で書かれた詩歌は、沖縄という場所でないと成立しなかったであろう場景を示す単語の豊穣さなど、これまで意識したことがなかった日本語の地理的な表現の違いを知ることができる。また、現代的仮名遣いが導入された時期の論争では、どのように現代の日本語表現が形成されたかなど、多様な問題を知る上で貴重な論考ばかり。

実は知っているようで知らない母語としての日本語表現の豊穣さを知れ、なおかつ一級の知的好奇心を刺激してくれる傑作アンソロジー。この一冊を持って、本全集が編纂された価値は十分にあった、と言える。

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2016年11月20日

Posted by ブクログ

文学全集にこのような内容のものを入れるのは非常に珍しいと思うけれど、逆にこれこそが池澤夏樹のこだわりなのだろう。ケセン語、アイヌ語、琉歌の形式など大変興味深い内容が収録されているが、なんといっても政治の言葉の部分に説得力を感じだ。

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2016年10月11日

Posted by ブクログ

大野晋、ハとガ、という、今の日本語の根。AI時代にも、途轍もなく役に立つモノだ。再考していこう。

間投詞も、かなり、面白い。

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2024年08月04日

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