あらすじ
「シャーデンフロイデ」とは、他人を引きずり下ろしたときに生まれる快感のこと。成功者のちょっとした失敗をネット上で糾弾し、喜びに浸る。実はこの行動の根幹には、脳内物質「オキシトシン」が深く関わっている。オキシトシンは、母子間など、人と人との愛着を形成するために欠かせない脳内ホルモンだが、最新の研究では「妬み」感情も高めてしまうことがわかってきた。なぜ人間は一見、非生産的に思える「妬み」という感情を他人に覚え、その不幸を喜ぶのか。現代社会が抱える病理の象徴「シャーデンフロイデ」の正体を解き明かす。
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Posted by ブクログ
人間的である、愛が深いからこそ憎しみが生まれ、戦争が起こる……他に排他的になる気持ちを遺伝子や脳内物質や行動原理から読み解いてく一本。
自身や他人に当て嵌めてみて、よい気付き、悪い気付きが多分に得られる本じゃないでしょうか。
後半に描かれる、脳はなるべくサボるのが好き、思考停止している時の気持ちよさに言及していますが、自分も割とその気があるので、自分の意思、意見をなるたけ育てていくようにしたい…
Posted by ブクログ
「人間性」や「サンクション」など、基本的に人間は性善説で自らを良い人だと思っている。
だから、客観性を欠くのではないか。
オキトキシンの影響である、シャーデンフロイデにより、いじめや排除が起こる。
ホルモンの分泌は介入できないので、その前提となる正義感や視野の広さに介入したい。
Posted by ブクログ
嫉妬や妬みを感じる人の失敗に快感を覚えるような状態がオキシトシンと関連しているという内容の本です.
本に出てくる科学的な内容の解釈に極端な部分があります.例えばDRP-2の多型が保守的かそうでないかという人の性格を決定するような記述がありますが,DRP-2の多型一つでそう言ったことが決まるわけではないと想像します.これがアメリカの二大政党制と絡めて書かれているので,こういったところは賛同しかねる部分です.
しかし,日本社会の生きづらさの原因の考察であったり,日本が国際社会で存在感を示すための方向性であったり,そういった内容には納得されられるところがありました.