あらすじ
特捜部Qに閉鎖の危機が訪れる! 検挙率の上がらないQには周囲から厳しい目が注がれていた。そんな中、王立公園で老女が殺害される事件が発生。さらには若い女性ばかりを襲うひき逃げ事件が――。次々と起こる事件に関連は? 一方、ローセは苦悩の淵に……。
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Posted by ブクログ
7作目。手厚い社会保障が充実していると言われるデンマークだが、悪用する人たちがいる。特捜部Qが過去の事件を追ううちに、不正受給者の事件に巻き込まれる。
※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。
連続殺人事件が起きる。
福祉事務所に勤めるアネリ(アネ=リーネ・スヴェンスン)は、みすみす不正受給だと判りながら、あれこれと理由をつける担当の女たちに我慢ならなかった。
義務の職業訓練も受けず、紹介した職場にも不満を言って勤めず、男のところで同棲しながら厚かましく住宅補助を持っていく。
アネリは定期的な面談のたびに積もるストレスに耐えて来た。
検診で癌までが見つかった。将来を棒に振っても、生意気な怠け者たちを始末しなくてはならない。アネリは運命の道連れにしようと周到に計画を立てて準備する。
まず一番の的は不正給付を受けることを恥だと思わない、自堕落な怠け者の三人組だ。
一度目の狙いは未遂に終わるが、それでも次々にリストにあげた受給者を殺していく。
最初のリストに載った女たち(デニス、ミッシェル、ジャスミン)は、福祉事務者で知り合った。
三人は死んだデニスの祖母のアパートに入り込んで同居を始めた。
デニスは死んだ祖父の拳銃とナイフを見つけて、クラブを襲う計画を立てる。
成功して大金を得るが、ミッシェルが逃げ出し、狙っていたアネリに殺される。
この長い話には、三人の女が殺されていく様子がアネリの行動の描写でわかる。
彼女は担当している男に好条件を餌にしてしリボルバーを手に入れ。それに細工をしてサイレンサーに変える。
アネリがロトにあたったという噂を信じて強盗目的で訪ねて来たデニスを殺し、命拾いをする。
帰らないデニスを待っていたジャスミンは金を詰めたバッグを持って逃げだす。
入院していたローセが精神状態がまだ最悪にもかかわらず退院して行方が分からなくなった、特捜部Qのメンバーは 手を尽くし探しあぐねていた。
手にいれたローセのノートには、意味不明な心の悲鳴が呪いのような言葉で書き綴られていた。
ローセの部屋にたどり着き彼女の遺書を見つける。臓器提供の申請書まであった。献体を申請した本人が行方不明ということがあるだろうか、二人は腑に落ちない。
カールとアサドはローセを探す。ローセを愛するゴードンは細身の体がますますやせ細っていく。
ローセは偶然、殺されたデニスの祖母の隣の部屋に住んでいた。誰もいないはずの隣の部屋から話声がする。ローセは不審に思った。
ドアがノックされドアを開けたロースはデニスとジャスミンに捕まった。バスルームの椅子に縛られ時々水を与えられるだけで、時々目覚めて女たちの会話を聞いた。
アネリは金目当てにたずねて来たデニスを射殺したあと、逃げ出したジャスミンを待ち伏せし背に向かって車をスタートさせた。アネリは正義に酔っていた。
アネリはデニスの死体を載せたまま交差点で男の子が運転する黒いゴルフに突っ込んだ。ゴルフのボンネットにデニスの死体が乗っているのが見えた。
未解決事件と似ているという情報をくれたかつての課長からのヒントで、デニスの祖母の撲殺事件が解決した。
アネリが逃げようとするところをアサドと二人で逮捕した。アネリの起こした連続殺人事件も幕を閉じた。
集中治療室にいるローセはまだ回復しないが、彼女が苦しん来た根の深い原因が解明した。分裂した人格を取り戻すには時間がかかるかもしれないが、幸い彼女は命を取り留めた。
反目しあっていた捜査課長のビャアンともわずかに細い糸がつながった気がする。
今回は犯人や被害者の背景になっている人々の過去と現在が長かった。
時間にするとデニスの父親と祖父の戦争体験から、ローセのトラウマになった父親が、圧延工場でローセの眼前で圧死する、その上父親の言葉での虐待は死ぬまで続いていた。そして現在彼女はまだ苦しんでいる。
複雑に絡んだそれぞれの不幸な生き方が追い詰められていく様子など、ファンでなければ読むのがつらいかもしれない。
作者は国家特有の歪みをあぶりだしながら、制度を悪用して犯罪だとも思わない人々がいることを、怒り(粛清すると思っている)のためには手段を粗ばない独りの女の心理とともに描き出す。
遠い出来事になったような戦争の傷跡がまだ癒えていない人達までも登場させて、社会への関心が一段と深まった作品になっている。
手の付けられないほど人格の崩れた女たち。「自撮り」は現在のあるがままな自分に満足している女たちの自画像かもしれない。
檻の中の女
キジ殺し
pからのメッセージ
カルテ番号64
知りすぎたマルコ
吊るされた少女
Posted by ブクログ
今作は良かった。始め、これらがどんなふうに収束するのか不安だったけど最後はそれぞれの事件が一応落ち着いた。
ローセの父親殺しの犯人達はいきなりカールが詰め寄って自白させて解決。これはいきなりすぎた。元々見当はついていたけどローセの状態が悪くなったので切羽詰まって、というところだろうか。
ローセの父親の同僚5人くらいが共謀して、作業中に事故に見せかけて電力をストップ。電磁石が止まって、金属の塊がローセの父親に落下。目の前でそれを目撃していたローセは心の傷を負う。
ローセは親しくしていたリーモアの死にもショックを受けたし、自撮り二人組に監禁されたこともショックで、巻末に少し回復への希望があったけど…。
ローセの父親はずっとローセに精神的虐待をしていた。
ジェームズの自白でリーモア殺しが解決。ここもジェームズにたどり着いたのは立派だがうーむ…
ビアギトを追い詰めて自白、ゴンダスン殺しが解決。動機とかがいまいちよくわからないけど…
最後に手榴弾が暴発?して犯人の暴走ソーシャルワーカーが吹っ飛ぶというのはあっけない。
アサドがとっても頼もしくなってカールもアサドを今以上に信頼してる。ゴードンも頼もしくなって、特捜部Qの結束力がめっちゃ高まった作品。ローセの家族背景がわかったのは前進だけどローセの状態が心配。
アサドの特殊能力の背景、ハーディの具合が良くなってきたこと、マークスも登場、盛りだくさんで楽しい回だった。
2016年に本国デンマークで、2017年にドイツ。次回作はいつになるのか
Posted by ブクログ
シリ-ズもの。カールと愉快な仲間たち…的なシリ-ズてのはずが、今回もまた重たい(涙)
ロ-セの過去が明らかになり仲間たちを巻き込んでの命がけの事件関わりっぷり~。
また、題にもある『自撮りする女たち』のダ-クで一切未来も見えず破滅へまっしぐらの生活保護を受ける女たちと、公務員女性。
さっぱり明るくはないし、救いもない。なのに、彼ら彼女らの動静から目が離せない。
ますます謎を深めるアサドの過去、カ-ルの周りの人達、つづきが気になる。
Posted by ブクログ
特捜部Qシリーズ第七作。
特捜部Qのメンバー、ローラの過去が明らかになる作品。
長年、父親から精神的虐待を受けていたが、
その父親は圧延工場で事故死した。
すぐそばにいたローラは犯人なのか。
ガンに罹患してしまった社会福祉事務所の女性が、
自分の担当の生活保護を受けている女性たちを殺していく話も強烈で、
過去の女性教師殺人事件と現在の老女撲殺事件の関連性について捜査しているはずなのに、
どうも印象が薄れがち。
ゴードンがどんどん使える奴になっているのが、楽しい。
モーナとカールの関係は好転するのか。
とにかくローラが助かって良かった。