あらすじ
「部長の発言、訴えてもいいんですよ」。「殿山缶詰」の若手社員、飯尾、佐山、多賀井の3人は、日頃の鬱憤を晴らそうと「裁判」「慰謝料」などの言葉をちらつかせ、部長の久保見を謝らせることに成功する。これをきっかけに社内では部下が上司を訴える事態が頻発。容認できない課長の楠木、寺石たちは、弁護士をバックにつけ反撃を開始した。そんな中、会社が買収されるかもしれない事件が起こって……。実用ビジネスノベル!
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Posted by ブクログ
タイトルに「訴訟」という語句が含まれていますが、訴訟や法律に関する知識というよりは考え方の端緒を学べる一冊と考えたほうがよいでしょう。ストーリーとしては中年社員とゆとり世代社員が反目しながらも会社の緊急事態に直面するなかで力を合わせながらお互いを少しづつ理解していくというもので、特に後半は面白みのある内容に仕上がっていると思いました。
Posted by ブクログ
缶詰メーカーの殿山缶詰は、零細企業ながら歴史ある缶詰製造会社だった。
長らく、親族を中心に大手取引先などに地道な営業を続けていた。
そんな中、殿山缶詰にも大卒の新入社員が入るようになった。
しかし、ゆとり世代の彼らは、仕事への熱意は薄く、叱責する上司の発言の揚げ足を取り「訴訟」「慰謝料」などの言葉をちらつかせ謝罪を要求する。
次第に社内の雰囲気は悪くなり、上司たちは頭を悩ませる。
ストーリーの進行のなかで判例を織り交ぜながら、パワハラ、セクハラ、就業時間問題など、現実の会社運営上でよく問題になりそうな法律問題が分かりやすく表現されている。
非常に読みやすく、あっさりと読めてしまうので気軽に法律問題に触れることができる小説である。