あらすじ
最近の研究で、体内で慢性化した弱い炎症が、血管や臓器の細胞を傷つけ、ガンやさまざまな生活習慣病の引き金になることが明らかになってきた。この体内の「慢性炎症」は、ストレス、肥満、加齢などで生まれる「炎症性サイトカイン」が原因で起こる。サイトカインは、炎症を引き起こす物質で、周りの細胞も影響を受け炎症を引き起こす。また、死んだ細胞からは、細胞の残骸が蓄積される。これがさらなる炎症の引き金となる。炎症のきっかけとなる生活習慣を改めることはもちろん、抗炎症作用のある食品を意識的に摂るなどの必要があるという。慢性炎症とは何か、予防や改善にはどうすればよいかを、本書で詳しく解説する。
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Posted by ブクログ
体のあちらこちらに起きる炎症が認知症や糖尿病、癌などのやっかいな病気のきっかけになることを分かりやすく説明した本です。炎症を抑えるための生活習慣や食事の仕方も載っています。炎症とは体の防御反応のことです。例えばウイルスが体内に入ったら、それを殺すための免疫反応が起きます。これ自体は悪いことではないのですが、ウイルスと白血球の戦いなどにより体内の器官を痛めてしまいます。これを繰り返すことで炎症が起こり、体にダメージを与えます。今猛威を振るっているコロナウィルスが起こすものも炎症です。
人間が生きるために必要な肺に強い炎症が起こるので、致命的になるわけです。炎症を防ぐ生活習慣としては可能な限り糖質を減らすことが効果的であると書かれています。糖質を取り過ぎると終末糖化産物と呼ばれるものが体内にでき、これに細胞が過剰反応して炎症が起きてしまいます。それを起こさないために糖質を減らすようにします。食べ物ではビタミンDが有効です。ビタミンDには抗炎症作用があるからです。また免疫力を上げる力もあります。この本を読んで実感したのは、糖質を控えることと、ビタミンDを多く取ることの重要性です。
この栄養素は卵やマイタケに多く含まれています。糖尿病などの生活習慣病を防ぐ生活習慣や食習慣が、コロナウィルス対策としても通用することが分かりました。