【感想・ネタバレ】アウシュヴィッツの図書係のレビュー

あらすじ

アウシュヴィッツ強制収容所に、囚人たちによってひっそりと作られた“学校”。ここには8冊だけの秘密の“図書館”がある。図書係に指名されたのは14歳の少女ディタ。本の所持が禁じられているなか、少女は命の危険も顧みず、服の下に本を隠し持つ。収容所という地獄にあって、ディタは屈しない。本を愛する少女の生きる強さ、彼女をめぐるユダヤ人の人々の生き様を、モデルとなった実在の人物へのインタビューと取材から描いた、事実に基づく物語。感涙必至の大作!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「アンネの日記」は捕まるまでの話だけれど、こちらは捕まってから解放されるまでのお話。以前、アウシュヴィッツに郵便があるという話があって驚いたけど、こちらは学校まであってさらに驚いた。家族収容所なるものがあったことにも。
話ももちろん素晴らしかったけれど、あちらこちらに名言が散りばめられている。特にヒルシュの話は本をあまり読まない人たちにも響きそうだと思った。
今更ながら、強制収容所の暮らしが想像以上に酷くて驚いた。その中でもみんなが逞しく生きていく姿にも驚いた。人は希望がなければ生きてはいけないのだと改めて思った。
主人公はアウシュヴィッツからの解放後、イスラエルに移住したけれど、そこでもまた戦争があり、大変だったんだろうなと思った。

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2022年07月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2回読んで、読み終わった時の印章がどちらも鮮明に残りました。恐らく、ホロコーストを自分が体験していないから、現実とかけ離れた世界に圧倒されてしまうのかもしれません。
8冊の本が楽園への入口というのは、当時の状況を鑑みると幸運だったのかは私が論じていい話ではないですが、今本が救いになっている人にはわかる事なのかなたま思いますり

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2021年02月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これを読み終わったあとの気持ちをなんと表現すればいいだろうか。
悲しくもあり、でも主人公の女性が生き延びたことへの安心の気持ちもわいた。この女性が収容所で見た光景はいくら生々しく語られたとしても自分には到底実感することのできない、それぐらい深いものだと思った。
この本はフィクションではあるが、主人公は実在していて、真実も書かれている本であり、当時収容所でどんなことが行われていたか、リアルを知ることのできる本。
自分はこの本を読んで、収容所の悲惨さを感じるとともに、人をそこまで狂気にさせてしまう環境の怖さも感じた。収容所で毎日ユダヤ人をガス室送りにしていたドイツ兵も、その環境にいなければ、きっと心優しい人だったかもしれない。誰しもが狂気の言動を取る、強制的に取らされる、そんな可能性があるということを考えさせられた。もっと収容所の現実を知りたくなった。

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2020年11月29日

ネタバレ 購入済み

ある少女の凄絶な人生

読書すら禁止のアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所。たった8冊の本を命を懸けて守る少女ディタ。絶滅収容所とも呼ばれるその中では、常に死の恐怖と隣り合わせ。1日に何千という命が何の躊躇もなく流れ作業のごとく殺されていく。さらに暴力、飢え、チフス、コレラ、悪臭、シラミ、強制労働。生きていくこと自体が辛い中にあって、人間らしさや希望を保つ原動力となるのは紙の本や教師たちの話す物語、生きた本だ。勉強や本が嫌いという日本の子どもたちにぜひ読んでもらいたい一冊。そして90歳近い現在のディタの生き様にも感服。

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2019年11月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アウシュヴィッツには行ったことがあった。この本の主人公であるディタが収容所に送られるほんの少し前の年齢くらいのときに。当時のことはもうよく覚えてないけど、メガネと髪の束と暗い収容所の空気だけをよく覚えてる。
アウシュヴィッツの物語を読む度見る度に、ここで生き延びようとした人たちの生命力に驚きを覚える。運命による抑圧をどうにか跳ね飛ばそうとするその気力に、人間の底力を感じて、毎回涙が止まらなくなる。一方で、運命によって退けられてしまった人たちへの共感と悲しみも。自分はここにいれられてどちらの側に行くだろう。右と左にわけられるだろう。子供がこんなところに入れられて、果たして1日でも正気でいられるだろうか。子供のために体を売れるだろうか。
戦争の愚かしさをこうやって目の当たりにする度に、今でも世界で続けられている同じようなことに絶望する。戦争によって人間性を奪われるすべての人たちに悲しみを覚える。どうやったらやめられるんだろう。どうして人は忘れるんだろう。
せめて自分はどうにかして愚かしい人間であることを忘れずに、せめて足を踏み外さないように、生きていければなと思うばかり。

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2023年08月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アウシュヴィッツで図書係だった少女の話を基にした小説。

当時の過酷な生活は、想像しても仕切れないものだなと改めて思う。理不尽な死がこんなに近いことなんてない。

『ごく当たり前の生活が、滑り台を滑るように地に落ちていった。』

『英雄的行為の大きさを評価し、名誉や勲章を与えるのは簡単だ。けれど、あきらめるという勇気は誰がわかってくれるのだろうか。』

戦争のもつ力の大きさと、それに抗えない無力感を感じることが出来る上の表現と、目に見えないものの繊細さと美しさを再考させてくれる下の文章に心奪われた。

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2021年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんとなくで知っていると思っていた
戦争の悲劇

この本を読んだからと言って
分かったことはそれほど多くはないのだろうけれど
思わず眉間に皺が寄ってしまう
そんな光景を想像することはできた

人は誰しも失敗から学んで
次はこうしようと無意識に生きている

歴史を知るということも
同じことなんだろう
ただ無関心で生きていくこともできるけど
そうはなりたくないと思う

ディタが80歳まで生きられたこと
一言では言い表せないけれど
心からよかったと思う

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2025年01月28日

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