あらすじ
天才翻訳家が遺した『ユリシーズ』に関する文章を集成。第12章の発犬伝をはじめ、1922年のパリ、音楽、競馬、13-18章の試訳など、ジョイスフルな言葉に満ちたファン待望の一冊。
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Posted by ブクログ
柳瀬尚紀 「 ユリシーズ航海記 」 著者の翻訳論、ユリシーズの翻訳比較、ユリシーズの読みどころ を論述した本。著者訳の河出書房「ユリシーズ 1-12」をなぜ早く読みたい
翻訳論=翻訳と英文和訳は違う
*翻訳は日本語の音感で伝える
*著者の使った手法を 日本語で模倣する
*誤訳は 畳の埃→どんな翻訳も叩けば誤訳が出る
*翻訳者は指揮者たるべき
丸谷才一ほか訳の集英社「ユリシーズ」を鼎訳として、著者の翻訳した河出書房と比較。紹介された 鼎訳は日本語として おかしいが、著者の翻訳は 日本語として成立している(超訳に近い)
ユリシーズ
*センテンスの完璧な語順→詩を作る姿勢に近い
*ピリオドの置き方も重要
*言葉を精緻に使っている→的中語探しに時間がかかる
*最も音楽しいのは 11章セイレン
*発犬伝(12章)
「ユリシーズは巨大な生き物である」