あらすじ
拡張現実と人工意識が実現したセックス用アンドロイド――オルタマシン。その中でも、未成年型(マイナー)オルタの使用は賛否双方の激論を惹起した。ライター・長谷部美里は、マイナー・オルタ利用の実態取材のため12歳型のミーフと出逢い性交を経験する……。
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Posted by ブクログ
主人公のライターは、オルタマシン=とても出来のよい未成年型のセクサロイドとのコミュニケーションやセックスを通じて、”彼”を”愛する”ようになるが…という、現代的な感覚で忌避感の強いペドフィリアをモチーフにとった考えさせられる本。
主人公は未来の人だが、愛と性が一体化している2000年代的な考え方の人。
お金を払えば、他者の肉体を自由にしてよいのか?という問いにはなんとなくNOと思う人が多そうだ。では、愛があればセックスしていいよね?という主人公的な考え方もどうなのかなと思わせる、かえって愛の方が乱暴ではないでしょうか。
なお、作中でオルタマシンの売春会社を運営する社長が語る過去の経緯の部分で『昔は性的な部分が強調された絵だけで批判された』とあるのだが、ゾーニングの問題とか、主に女性だけが物体化しているのが問題なんだよ!と主人公に代わってツッコミたくなった。
Posted by ブクログ
面白かったけど、後味が苦いのでもやもやします。
現実にアニメのキャラクターに愛してる人はたくさんいるだろうし、実際に結婚した(と言い張っている)人も複数いるはず。
ペットなんかも近い話はありそうだが、ジの辺はもう世間に浸透しているから問題ないのだろうか。
「盲人の国」「晴れた日に永遠が見える」は検索してしまいました。実在作品が出てくるのも嬉しい仕掛けだなあ。
Posted by ブクログ
AIとVRとロボット技術が発達したら、そりゃ性風俗産業に流用転用することも考えるよなぁ…って世界の物語。
他の山本作品(プロジェクトピアノなど)とも世界観を共有しているあたり、辻村っぽいというかMCUっぽく、こういう物語のつながりは好き。
最先端技術の性風俗転用は善か悪か?という部分を論じているところは好き。
どんでん返しの黒マカロンの理屈「私が不快だから、世の道徳観とか人の意見はどうでもいい」あたりの議論も大いに考えさせられて良かった。
ただ、やっぱり俺はセクサロイドには、欲情(あくまで自慰的な)するかも知れんけど恋愛感情は持てないなぁ。と再確認できた。
価値観の多様化、それを認めることって難しいけど、必要なスキルだなぁと、それも再確認できた。
Posted by ブクログ
山本弘の作品の中でも少し変わっている作品。
精巧に創られた、少年少女の形をした「オルタマシン」に魅了される大人の話。内容・展開は面白いが、後半の性問題についての会話は根気強く読む必要がある。
Posted by ブクログ
タイトルでなんとなく手に取ったものの、ものすごく重いというか、倫理観を問われる本だなぁと思いました。
あと文系人間にはキャッスルの仕組みのあたりが難解でちょっと大変でした…。
登場人物たちにはなかなか感情移入出来なかったけど、「これから起こりうるかも」と思いながら読むと怖い話だなぁと思いました。
でも何もかもを規制すればいいってものではないと思います。個人的にはね。