あらすじ
日本全体が短期的な利益追求に走り、ブラック企業がはびこる中で、首都圏を中心に130店舗以上を展開する立ち食いそばチェーン「富士そば」は真逆を行く。アルバイトにもボーナスや有給休暇を支給し、社員には年間1000万円を超える報奨金や、さらには海外旅行までもが用意されているのだ。富士そばが、ここまで従業員を大切にする理由はいったい何なのか? 創業以来40年以上の歴史を持ち、現在も成長を続ける老舗チェーン店の「ふしぎ」な仕組みと経営哲学の全貌を、創業者自らが明かした驚きの一冊。【目次】はじめに/第一章 なぜアルバイトにボーナスを出すのか/第二章 富士そばが誕生するまで/第三章 人を育てるにはどうすれば良いか/京急蒲田店・保科由樹店長が語る「富士そば」と丹会長/第四章 商売のコツとは何か/津田沼店・花木幸輔店長が語る「富士そば」と丹会長/第五章 経営者の役割とは何か/藤枝健司常務が語る「富士そば」と丹会長/第六章 富士そばでは、なぜ演歌が流れているのか/おわりに
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Posted by ブクログ
「富士そば」は、なぜアルバイトにボーナスを出すのか。丹道夫先生。正社員であろうと、契約社員であろうと、アルバイトやパートタイムであろうと、差別せずにきちんとボーナスや有給休暇を支給する。傲慢で差別的な扱いとは無縁の誠実な対応をしているからこそ、「富士そば」で働いていらっしゃる従業員が生き生きと仕事をして、「富士そば」には多くのファンがついているのかもしれませんね。ブラック企業と呼ばれる企業にも見習ってほしい内容。
Posted by ブクログ
名代富士そばの創業者 丹道夫さんの人生、そして思想が簡潔に語られています。とても共感できる内容でした。
題名になっているように、アルバイトにもボーナスを出す、本社の社員(現場は流石に食品を扱うので制服はある)は服装自由とか、当たり前に思えて当たり前ではないことを実践する会社を、演歌の好きな、自身が演歌の作詞家でもある、丹道夫さんが築き上げたのです。
「従業員のやる気を殺ぐような言葉を決して発しないこと。」「人間はみな平等」経営者と従業員も「立場や地位は違えど、人間としては平等に決まっています」と言った言葉は、ぜひ多くの経営者に、人の上に立つ人に、噛み締めてもらいたいものだと思います。
ビジネス書に分類はされますが、子育てをしていく上でも、この丹会長の思いは、非常に参考になることでしょう。
多くの人に読んでほしい、とくに人との上に立つ人には読んでほしい一冊です。
Posted by ブクログ
ひと昔前のスターバックスのように「あっ、ここ富士そばになってる!」パターンが結構あって、どんどん新規開店しているイメージがありましたが、本書によると闇雲にオープンさせている訳じゃなくて吟味に吟味の決定、ということで、いかに自分の行動動線の上に「富士そば」があるか、を改めて認識。言われてみれば、電車乗り換えの際に角地のお店に出会うことが多く、まさに会長曰くの「富士そば」は不動産業、というのは納得できます。また他のお店では食べれない、ほうれん草のお浸しがまるまる乗ったそばとか、カレーかつ丼とか、オリジナルメニューも楽しみで、それがお店の自由なメニュー提案から生まれていることも知りました。と、言う訳でなんやかんやお世話になっているお店の経営哲学の語り下ろしです。テーマは徹底的に「仕事」と「人」のいい関係について。去年の発刊なのに、いまやどんな会社でも語られている「働き方改革」とか「生産性向上」とかの流行りの言葉は全く出てきません。あくまで「働く人の人のやる気について」「働く人の成長について」。会社という主語さえ出てきません。何しろ常務というビジネスリーダーの元に、名前だけ違う同じことやる会社が8個あるんですから!すごい!(ちなみにシリコンバレーにも同じやり方の会社があるらしい…)冒頭に紐付ける訳ではありませんがハワード・シュルツ「スターバックス再生物語」を思い出しました。結局、会社の資産は「人」である、と。まあ、スターバックス再生のキーがビートルズであるのに対して、「富士そば」は演歌なのが面白いところですが…。でも、ここが一番大切なところで丹会長の見ている視点が「人は寂しさを嫌う」という自分が数々の失敗から辿り着いている人生観そのものが「富士そば」経営哲学なのです。これから、高齢化、単独世帯化が進む東京において「富士そば」というサービス業の持つポテンシャルはもっともっと大きいかもしれません。この本の提示している世界、すごいと思いました。
Posted by ブクログ
(再読)近年「ホワイト企業」として注目されている富士そば会長の丹道夫さんによる経営哲学…といえば表現が堅苦しいですね。著者自身の人生から得た教訓が易しい文章で綴られています。その根本は、人を大切にすること、これに尽きると思います。若い頃からたくさんの苦労を重ねてきた著者の優しさが詰まった一冊です。
なお、私は丹さんが卒業した愛媛県立西条高等学校定時制に3年前まで勤務しましたが、その頃の生徒たちによく丹さんのことを話していました。偉大な卒業生のひとりです。
Posted by ブクログ
人を大切にするマネジメントの成功例。飲食業でこれだけ自由にさせている会社は、他にないのでは。現在のように、人を採用することが大きな課題になっている時代、こうした文化が浸透しているのは強い。
Posted by ブクログ
★「雨降りには、経営者は傘になれ」(銀行は、雨の日には傘を貸さない)ドラマ『半 沢直樹』に同じセリフがあったそう。
★情報は人付き合いの中から多くを得ている。
以上、印象に残った言葉。
Posted by ブクログ
作詞もこなす富士そば会長の生い立ち経歴経営理念。経営本だが難しい描写はなくそばのようにスルスル読みやすい文章。他企業より人材を圧倒的に大事にする姿勢に感動した。