あらすじ
多数の著作から選ばれたベストワークス
内田樹の思想を知り、辿る上で欠かせない著作十一作を著者自らが解説する。
現在の日本と世界の問題を解くために重要となる一冊。
100冊を超える著書・翻訳書を刊行してきた著者。
自作自註の講義でとりあげられた『ためらいの倫理学』『先生はえらい』
『レヴィナスと愛の現象学』『街場の中国論』『日本辺境論』『「おじさん」的思考』
『昭和のエートス』『下流志向』などを論じる中で生まれた新たな思考が飛翔する一冊。
巻末に著者・翻訳者リストを収録。
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Posted by ブクログ
内田樹自身による自分の著作物紹介。
リストアップされた自著の解説、というよりそれを契機に思いついた話を展開するというウチダ先生のいつもの流れ。ともあれ1冊で何冊分ものウチダ節を聴けるお得なものとなっている。
1.ためらいの倫理学
著者のデビュー作。フェミニストなどの「正しさ」に欠けている「倫理」の考察。
2.先生はえらい
中高生向けに初めて書かれた師弟論、教育論。教師に勇気を与える内容。内容が大学入試に多く採用されることで有名。
3.レヴィナス序説
コリン・デイヴィスによるレヴィナスの解説書を和訳したもの。
フランソワ・ポワリエ「暴力と聖性」は読みやすい。
サロモン・マルカ「レヴィナスを読む」
以上3翻訳はいずれも絶版。
4.困難な自由
レヴィナスによるユダヤ教についての試論。
内田氏が最初に触れて虜になったレヴィナスの書。
5.レヴィナスと愛の現象学
内田氏によるレヴィナス解説書の第一弾で代表作。
6.街場のアメリカ論、街場の中国論、日本辺境論
最初の2冊は神戸女学院での講義録から作成
最後の1冊は新書大賞2010受賞作品。
→いずれも日本のプロの社会学者には出来ない視点からの考察
7.昭和のエートス、おじさん的思考
昭和的なものへのオマージュと、リベラルで真面目で勤勉な日本の正しいおじさんによる常識的な世相批判→ウチダファンが増大する契機となる
大きな義理と小さな義理の対立→小さな義理を大切にする
8.下流志向
市場原理主義の教育への持ち込みにより、学びや労働の意義が損なわれている現状批判。