あらすじ
山の中腹に建つ家に引っ越してきた、小学四年生の日々乃翔太。周りの家がどれも未完成でうち棄てられていることに厭な感覚を抱くと、暮らし始めて数日後、幼い妹が妙なことを口にする。この山に棲んでいるモノが、部屋に来たというのだ。それ以降、翔太は家の中で真っ黒な影を目撃するようになる。怪異から逃れるため、過去になにが起きたかを調べ始めた翔太は、前の住人の残した忌まわしい日記を見つけ――。“最凶”の家ホラー。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
なにこの不幸を煮詰めたような話。
百々山、辰巳家...蛇棺葬と百蛇堂と関わりがある場所が出てきたし
お山を切り拓いてしまった以上、どうすることもできないからあの家に住む家族を村八分にしようなんてことをする住民が怖い。
大人が全く頼りにならなかった
幸平が頼もしいし、親族が向かえに来るまで保護者として動いてくれた幸平母もまともな大人だった。
香月希美も早い段階から山のナニかにのまれてしまったんだな...アパートから離れれば元に戻るのか戻らないのか
逃げた先で羊のハネタが出てきたから戻らないし逃げられないのかも
Posted by ブクログ
怪異の正体が明らかになったり退治できたりはしないスッキリしないホラー
理不尽感強め
何の罪もないのに子どもの目の前で家族が亡くなる展開が苦手な人は避けたほうが良いと思う
Posted by ブクログ
いい方向に向かってるなあ‥‥と思った途端に絶望にたたきつけられる感じがとても良かった。何も解決しないのがホラーの醍醐味だと思う。
全部読み終わった後にカバーの絵を見て「あっ…」ってなった。
Posted by ブクログ
拓かれた山に建つ新居に引っ越した翔太。
ふとした時に現れる不穏な影と、妹にのみ訪れる得体のしれないモノたち。
異常な事態に置かれた翔太は究明に奔走するが…
真相が完全に明らかにならない分余計に怖ろしく感じたのかもしれない。
因縁の地から逃げた先でも絡みつく…という結末も絶望的で良かった。
しかしそれ故に消化不良感は否めない。
他のものより暴かれる比率が低いように思える。
ただ、面白かった。
Posted by ブクログ
「辰巳家」と「百々山」のワードが出てきた時は思わず血が騒いだ。
児童が主人公だからか話もホラー現象もトントン、サクサク読み進む。が、読みやすさに油断してはいけない。じわじわ追い込まれていくような地域の住人の黙認という名の悪意、クライマックスのやつらの登場、容赦ない絶望感の決着という後半の恐怖の畳み掛けは一級品。最後のとどめの一言も効くなぁ。
始まった恐怖は終わらない、これぞ三津田ホラー。
Posted by ブクログ
怖かった。ホラー小説。
ちょっと現実離れしているけれど、次から次へと奇怪なことが起こり、テンポ良く、妙に引き込まれた。
結局妖怪の正体が何だったのかスッキリしなかったところはあるが、家族に妖怪が憑依し最後には自殺してしまうという展開にゾッとした。
Posted by ブクログ
家シリーズを読むのは魔邸に続いて2作目。
東京から奈良に引っ越してきた小学生の翔太。山を切り開いて建てられた家は新しいのに次々と住人が出て行ってしまう曰く付きの家だった。
家族の危機についてはとても勘の強い(むしろ予知のような力のある)翔太は家のあちこちに黒い影を見るようになり、妹のもとには夜になると謎の訪問者が訪れる…
翔太の行動力や頭の回転の速さ、そして悪い事が起こる前触れに関する感性が逆に影と訪問者の正体をミスリードしてしまう要因になってしまっていたのがなんとも皮肉。
事故物件に現れる影=幽霊とは限らないとは…
そして最後の一行に戦慄。
辰巳家、百巳家、百々山、蛇神様…ときて百蛇堂だー!!と興奮してしまった(笑
百巳といい谺呀治といい、三津田ワールドにおいて蛇神系は本当に強いなぁと思ったり。