【感想・ネタバレ】新・ラグビーの逆襲 日本ラグビーが「世界」をとる日のレビュー

あらすじ

緊急出版 大丈夫か日本代表
ラグビーファンは理屈好き!
かつての栄光(人気)→凋落・長期低迷→奇跡の勝利・V字回復基調→ところが……
《ラグビーはルールが難しいから人気がでなかったのではなかった。日本代表が世界で勝てなかったから人気がなかった。それが、この国のラグビーの歴史的な姿だった。》[本文より]
2019年、ラグビーW杯日本開催に向けて、いま〈日本〉はどういう状態にあるのか? 2015年の奇跡から一転してしまった現状に、「これでいいのか」という警鐘を鳴らす著者の問題提起を全面展開。ラグビーの「世界地図」と歴史的経緯を踏まえ、「これから」の課題を提示。
最近ファンになった人も、昔ファンで最近復活した人も、楽しめる基本図書!

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Posted by ブクログ

大学ラグビーという世界でも類を見ないカテゴリーで貴重な若い時代を大学選手権や地域リーグ戦の数試合で消費させることが如何にもったいないことか。大学ラグビーシステムへのテコ入れの必要性には納得。

度々のW杯に日本代表が勝てないのはチームとしての明確なコンセプトを掲げていること、80分間をどう戦って最終的にどうスコアで相手を上回るかというシナリオが、それが出来たチームこそ勝ち続けたり、世界に印象づけられるのだと改めて思った。

ー以下の引用が過去(もしくは今でも)日本代表ラグビーの歴史を総括されたこととして、うなづけた。

日本代表というチームは、W杯でどういうラグビーをするかを時間的な継続性から切り離し、その時その時のHCの意志に委ねる。だからHCの意図した方向が正しければ宿澤やエディーのように白星を挙げ、そうでなければ小藪時代のような屈辱的な大敗を喫する。その一方で、活躍した日本代表も惨敗した日本代表も、ラグビー界の中枢には所詮他人事でしかなく、すべてが1つの思い出として消費される。

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2024年12月12日

Posted by ブクログ

(2017/12/14)
たまにネット上でこの方の文章を読む。
ジェイミーの戦術の、キックしてエリアを取って、
相手にボールを渡して、アンストラクチャを作って、、
というラグビースタイルに警鐘を鳴らしていたのが
記憶に新しい。
私もまったく同感。
イングランド大会で成功したやり方にこだわる必要はないとは思う。
エリアを取ることが出来、省エネになり、かつそれでトライチャンスが増えるのであれば、
大いに進めればいい戦術。
しかし結果は真逆。ボールを掴んでフリーになった敵チームが、
自陣を駆け抜ける。トライチャンスどころか相手にトライを量産させる。
そして惨敗。
困難でいいわけはないと思っていた。
それで私もブログを利用して永田さん同様意見を出した。
多い日は5000アクセスもあったが、
それに対し結構批判的なご意見も頂いた。

いろいろな意見があるのは当然だが、
「素人は黙っていろ」的な意見には閉口する。
確かに素人だが、素人ゆえに見える部分もあるのだ。
ラグビーは単なる力比べではなく、
体力、技術の上に、
組織、規律、戦術を極めなければ勝てないスポーツ。
技術を知らなくても見えるものはあるのだ。

著者も歯に衣着せず、現体制に批判を浴びせる。
そして過去の日本代表の暗い歴史にも触れ、
いかに指導者が大事かを叫び続けている。

良い指導者と悪い指導者の差、
それは勝つチームを作ることが出来るかそうでないか、
それに尽きる。
それ以外は何もない。
著者は言い切る。ラグビーの人気が無かったのは
ルールが難しいからではない、勝てなかったからだと。
南アフリカに勝ったから、ラグビーブームに火がついたのだと。

しかしそれがエディが辞めた後、日本が勝てなくなり、
同時にラグビーブームの火も消えた。
スコットランドに、フランスに善戦、引き分けはしても、
勝てないジェイミージャパンに魅力はない。

永田さんがよい指導者というのは、
宿沢さんであり、エディジョーンズ。
彼らは日本代表の方針を決め、意思を持って選手をセレクトし、
チームを作り、鍛えた。
それ以外の監督、ヘッドコーチは、結果的にただ外人や、
大柄の日本人を集めただけだった。

いかに個のメンバーを強くしても、それはワールドクラスでは並、レベル。
その上で、組織として同ラグビーをするかが大事なのに、
多くの監督はそれが出来なかった。
平尾もできなかった。外人に、オールブラックスのジェイミーとバショッフに頼り、
結果惨敗した。

そう、ここのところ、山中さんと平尾さんの「友情」を読み、吉田の「矜持」を読んだところで、
違和感があった。
吉田義人はピークの後半に突然レギュラーでなくなったのだ。
スーパートライと世界から称賛されて間もなく。
そうさせたのは、日本代表監督。小藪と平尾だ。
大きさを優先し、小さな体でスピードのある吉田を外した。
結果、宿沢のもとでは活躍した吉田は活躍の場を失ってしまった。

それくらい日本代表監督次第でころころ変わるのだ。
監督を選ぶ協会の不見識、と言えるかもしれない。
平尾がまさか、と思ったが、
まだ平尾も若かったということだろう。
選手としては輝かしい実績を持つ平尾だが、
神鋼の監督、GMとしては大した結果は出していない。
神鋼の7連覇は彼が選手として成し遂げたものだ。
指導者の立場になってからは神鋼はほとんど勝っていない。

その平尾が最後に、
日本は異端なことをして勝ってきた。
しかしそれはすぐ陳腐化する。
次の製品が必要。
という趣旨のことを言っていた。
エディジャパンの戦法が異端だったか、陳腐化したかはわからない。
また、ジェイミーのキックラグビーが次の製品かもわからない。
平尾は何を考えていたか、、もうわからない。
でもなあ、日本代表にあっているのはつなぐことだとは思う。
いかに体力を消耗しようとも。

指導者は大事なのだ。
勝てば官軍だが、私も宿沢とエディを評価する。
話はずれるが、慶應大学の監督で偉いのは上田昭夫さんしかいないのだ。
OB会ではやっかまれて敵が多かったと聞くが。
ジェイミーはまだ評価に値しない。実績がない。
正直この先日本代表がベスト8に残れるかどうか、
暗い気持ちになる。
薫田、ジェイミーコンビ。頼りない。

著者は終章で「未来は変えられる!」という。
「解任も辞さず」とさりげなく書いているのだ。
ジェイミーにその能力が、やる気がないとわかれば、
協会にそれを促している。
実は私もそう思っている。
ジェイミーにラグビーの哲学を感じない。
そうなったとき、それが実現したとき、、
私はトニー・ブラウンがどう化けるかに掛けたい。

それにしてもラグビー、真摯のスポーツ、
賢いスポーツのはずなのに、
どうして協会やら組織はこんな常識外のことを繰り返すのだろうか、、、

著者も触れていたが、大学ラグビーのあり方、
ずっと問われているのに、春季リーグ等というおためごかしを取り入れただけで、
抜本的には何も変えていない。
対抗戦とリーグ戦をひとつにしなければ、大学生の成長はないのだ。
現状を温存したい輩がいるのは間違いないし、彼らは大学ラグビー第一なのだろうが、
慶應が100対ひとケタで勝つような試合を組んではいけないはずだ。
伝統の早慶戦、早明戦とか言っても100年はたっていないはずで、
(早稲田は来年創部100年。)
そんな伝統は変えればいいし、何なら変えずに、11月23日は早慶定期戦をしてもいいが、
それとは別の、対抗戦リーグ戦が一つになったリーグの戦いを優先してね、
ということでいいのだ。
成績が悪ければどちらかが下部に落ち、試合が組めなくなってしまうのだから。
まずは大東、東海、流通経済、帝京、明治、慶應、早稲田、筑波でリーグ戦を組めば、
好試合が増える。成績が悪ければ当然入れ替え戦をする。
よいではないか。
あるいは、もし帝京がそのリーグより、トップリーグをめざしたいといえば、
下部組織に入れるでもいい。2チーム作り、ひとつはトップ下部、
もう一つがこの大学のリーグでもいい。
大学生をもっと鍛えよう。
今の日本代表、なんだかんだ大学出身ばかりなのだから、
もう少し早い段階で一流の試合をさせないと。
過去のしがらみにしがみつく、あるいは男の嫉妬、そういったものが
なぜか日本ラグビーの世界では目に着く。
まあ世界でもティア1なんて考えはある意味現状維持だろうが、
少しずつ門戸を開いているのも事実。

強くしようよ、日本代表。


第1章 2019年W杯で日本代表は勝てるのか?
第2章 「ラグビーカレンダー」という魔物
第3章 アマチュアリズム時代のしっぽ「日本選手権」
第4章 日本代表の栄枯盛衰
第5章 日本代表を世界で勝たせたリーダーの資質
終章 未来は変えられる!

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2024年08月04日

Posted by ブクログ

今年の秋はこの国でラグビーW杯が開催される。この本は二年前の秋に出版されたものだが、当時から現在まで続くジェイミー・ジョセフ ジャパンの不安を詳細な調査の基に語っている。過去の経験等を糧にどうしてもBEST8に挑戦を・・・!

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2019年05月12日

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