あらすじ
燃え殻さん絶賛! 元カノ青春小説。
永遠だと思った日常は、今の僕には眩しくてもう見えない。
どこか自分の作品と似た匂いを感じました――燃え殻さん
お前はひどい奴だよ。でも、歌うしかないんだよ、彼女のことを。
売れないギターデュオ・ネクストマンデイのひとり、野崎周一郎は、相方がこの業界から去り、覚束ない日々を送っていた。そんなある日、偶然居合わせた居酒屋で、人気ミュージシャン・黒沢と飲むことになる。その場で、説教をされ、号泣した野崎だったが、翌日、何事もなかったように黒沢から飲みの誘いを受ける。以降、野崎は、気が付けば頻繁に黒沢と飲むようになった。だが、元カノとの中途半端な交際を指摘されたことをきっかけに、野崎と黒沢は連絡が途絶えてしまう。それから、長い時間が流れた――。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
コンビものをいれて、1年間で何作もこの人の新刊が読める幸せ。
つながっているものなぁ。色んな作品たちと。
『きっと嫌われてしまうのに』もそうだけど、いくつかの現実も織り交ぜて、本当にそこにいるかもしれないキャラたち。飲み会の場面は著者の実体験というか、著者と飲みに行けばこうなるんだろうなと勝手に想像したり笑
人との出会いと別れ。
Posted by ブクログ
「俺、無駄に時間を過ごすのは好きだけど、時間を無駄にするのは嫌いって知ってるよね」
そう、この台詞のチョイスにゾクゾクするんです。
松久淳さんの作品というと、私にとっては田中渉さんとの共著の「ラブコメ」が至極。
その後、いくつかの作品を読んでちょっと離れてしまっていましたが、単独著作のこちらを販売前にNetGalleyで読ませていただく機会に恵まれました。
売れないギターポップ系ミュージシャン「シューサン」こと野崎周一郎が出会った人気ミュージシャン・黒沢。
鳴かず飛ばずでそれでもブレイクを夢見ている野崎にとって、酒の場で黒沢が発した心をえぐるような一言「百万年早いよ」は、その後をもしかすると変えてしまったかもしれません。
無理無茶、破天荒な先輩とそれに引っ張り回される後輩が、「親友」として言葉を交わすようになるまで四半世紀の時間の一時一時を大胆に、そしてポップに切り取っています。
登場人物も職業や舞台設定も台詞の一つ一つも「こんな奴おらへんやろう」と思わせながら、それぞれが結構なまめかしく「こういう奴おるよな」とつい呟いてしまいそうになる生っぽくて、ほんのりエロさが感じられる小説で、大好きとは公言できませんが「悔しいですが好きです」くらいは言えそうです。
あー、楽しかった。登場人物に他の作品からのゲスト出演があるんだろうなぁと思っていたら、やっぱりその通りだったので、読み損ねている他の作品も読んでみないと。
Posted by ブクログ
松久淳さん、初読み作家さんです。「猫の話をそのうちに」(2017.12)、開架でタイトルが目に入り、すぐに借りました。大物ミュージシャンと駆け出しミュージシャンの友情、そして、彼らを取り巻く女性たちの物語です。駆け出しミュージシャンは「ディオンヌ」という猫を飼ってるんですが、なかなか出て来ないです。そのうち出てくるだろうと期待しながら読み続けましたが、「猫の話をそのうちに」は新しい曲のタイトルでした(^-^) 小説としては、どうなんでしょう・・・。面白いような、そうでないような物語でした。