あらすじ
従兄アンブローズ――両親を亡くしたわたしにとって、彼は父でもあり兄でもある、いやそれ以上の存在だった。彼がフィレンツェで結婚したと聞いたとき、わたしは孤独を感じた。そして急逝したときには、妻となったレイチェルを、顔も知らぬまま恨んだ。が、彼女がコーンウォールを訪れたとき、わたしはその美しさに心を奪われる。二十五歳になり財産を相続したら、彼女を妻に迎えよう。しかし、遺されたアンブローズの手紙が、想いに影を落とす。彼は殺されたのか? レイチェルの結婚は財産めあてか? せめぎあう愛と疑惑のなか、わたしが選んだ答えは……もうひとつの『レベッカ』として世評高い傑作。
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Posted by ブクログ
レイチェルは悪女だったのか、それとも女性特有の衝動的で気分がコロコロ変わる気質を持った普通の女性だったのか、はたまた彼女も狂わされていたのか。
真実が分からない中の唐突な幕切れは深い余韻を残す。でも、最期に呼んだのがアンブローズの名だったのはどういう意味があるのだろう。誰にも見抜けなかった真実の愛が存在していたのか、それともかつて自分が裏切った男への贖罪か。
Posted by ブクログ
最後のオチが「え、そっち!?」だった。
レイチェルの趣味が『園芸』と聞けば、ミステリー好きにはピンと来そう。
レイチェルの人物描写が実に見事。読みながらうっかり私も恋しちゃった。
主人公フィリップのウブさもまた見事!こういう男性いる!作者はいつもどんな風に他者を観察してるんだろう。
実は、ルイーズにもう少し頑張って欲しかった。これからリベンジが始まるか!という時に物語が終わってしまって、少し物足りなかった。でも人によっては「語り過ぎないからこそ」なのかな。
でもさ、彼女は毒婦なのかそれとも…ってあったんだけど、普通の常識と礼儀貞節を知る女性なら亡き夫の実家に何ヶ月も居座らんだろう。愛だからとかでなく、亡き夫の育てた男の子狙うって毒婦中の毒婦でしょう。こわやこわや…
Posted by ブクログ
面白いというので、読んでみた。
参った!本当に面白い!
主人公フィリップの父親代わりであった従兄アンブローズが、レイチェルという女性と結婚する。
その後、すぐにアンブローズは病に犯され、フィリップは彼を看取ることなく亡くなってしまう。
その原因はレイチェルにあるとし、憎悪さえ抱いていたフィリップだが、彼女との対面の夜、そうした気持ちは一転してしまう。
そして、レイチェルとフィリップの生活が始まるのだが……という話。
フィリップの右往左往ぶりが、見ていて滑稽なくらいで、ちょっとは頭を冷やしなさいよ!と言いたくなるほどのバカ御曹司っぷり。
しかし、そんな私自身がフィリップのフィルターマジックにやられ、レイチェルに対する感情を二転三転させられることもまた、面白い。
結局、彼女は何者なのだろう?
分かりそうで、分からないままに物語は終わる。
ファムファタル、恐るべし。。。
坂道の連続で、分量のある本なのに、ほんとうに一気読みしてしまった。すばらしい。