あらすじ
同郷で同世代で名前も同じ。小説家・小川洋子とエッセイスト・平松洋子。踏みしめてきた数々の「踊り場」を振り返れば、そこにはいつも本があった――。ふたりはこんな本でできている。アンネ、ドイル、ケストナー、増井和子、タブッキ、白洲正子、倉橋由美子、深沢七郎、藤沢周平……。お二人が古今東西の名作を入り口に、本と人生を読みほどき、楽しく語り尽くした、滋味あふれる対話集。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
作家が好きな本について話すというのが好きだし、すごく気になる本も何冊も出てきたけれど、そんなことより何より母と娘の関係や子育てのはなしが印象的。
「死なないと手渡してあげられないものがある。死ぬことで、遺された人たちは新たな地平に行くことができる。だとすれば、自分にも生きて死ぬ意味がある。」
「息子の可愛らしさの記憶なら、私も五つくらい保存があって、それをつらいことがあると繰り返し思い出して、またしまっておけば、いつでも再生可能。だから百個も、二百個も要らないんですね。五つでも多いくらい、三つぐらいあれば十分(笑)。」
「きっと、うちの両親だって、何かすごく馬鹿げた、本人が忘れているようなことを、記憶のあめ玉にしていただろうなと思えるんですね。」
自分にもあるなあ、記憶のあめ玉。
なるほど、確かに3つもあればじゅうぶん。
そう思ってとても、すっきりした。
Posted by ブクログ
小川洋子さん、平松洋子さんによる、対談形式の書籍紹介本。
お二人の成長に合わせて、5章に渡り、印象に残った本を紹介してくださっている。
その5章は、少女時代の本、少女から大人へ向かう時の本、家を出る時の本、人生の中で思い出すと力が湧くような本、旅立ち(死後の意味で)に向かう本、という内容。
紹介されている本は、ほぼ読んだことのないものが多く、新しく読みたい本リストに加わった。
個人的に印象に残ったのは第4章、人生のあめ玉。
人には後悔や恥ずかしかった経験がたくさんあるが、
それらを肯定して、私はこれでよかったんだ、良いことも悪いこともすべて今の自分を作っているものだと思って生きていくという趣旨のコメントが出てくる。
この自己肯定のための力になるものとして、あめ玉のような記憶、というキーワードが登場。
紹介されている本は、そういうあめ玉になる記憶が生まれた瞬間や、あめ玉になる存在について描写するような本たち。
お二人の息子さん、お嬢さんに関するあめ玉の記憶も登場し、温かい気持ちになった。
自分にも、そういう人生のあめ玉はあるだろうか。
あめ玉を舐めて、人生の辛いことや後悔を肯定していけるだろうか、と思わされた。
巻末の人生問答もなかなか面白い。
また、小川洋子さんのアンネ好きは健在で、本自体も紹介されているし、違う本の紹介でもエピソードとして登場するなど、小川さんの人生の中で、それが重要なものであることが分かる。
小川洋子さんファンとしては、彼女の人となり、価値観を垣間見ることができ、満足の行く一冊だった。