あらすじ
「ロックバンドにアニソンシンガー、作詞、小説に、コラムニスト、テレビタレント、ラジオパーソナリティ、トークイベント、映画原作、舞台原作、映画出演、その他……好きなことだけをやって何とかかんとか食ってきた46年間でした。」と本文の冒頭で綴る大槻ケンヂ氏。小学生のころからの自分を振り返りつつ、サブカルチャーとの出会いからを丁寧に綴った本書。巻末に収録した、本や音楽、映画情報など、サブカルチャーの歴史が分かる貴重なデータでもある。
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Posted by ブクログ
「日本印度化計画」を歌う筋肉少女帯の大槻ケンヂが、サブカルでどの様に食い扶持を繋いでいくかを語る本。
サブカルで食うための方法を、梯子を外して笑いを取るのではなく、現実的にに描いていて良かった。
「表現したい「何か」があるのか」「ただ自分を表現したいのか」を確かめろという主張は面白かった。
「自分の好きなジャンルやシーンを底上げしてやる!」という熱意がどうしても必要になってくるらしい。心に響く。
若いうちに自分の時間を使って「自習」、僕の言葉で噛み砕いて言えば自分が何が好きかの試行錯誤、自分の楽しませ方を学んでおかないと将来大人になった時つまらない人間になるというのは面白かった。
僕は大学入ってから、友達もあまりできず一人で映画やサブカルチャー批評の本を読んでいて、自分が一人置いていかれているような気がずっとしてならなかった。
依然としてこのままではいけないのと思っているが、この本はとりあえずその時間の使い方もアリなんじゃないかと肯定してくれているようで嬉しかった。
この本で何度も紹介されているが、サブカルで食っていくためには「才能・運・継続」が必要だという。才能と運はやってみないとわからないけれど、継続はやっていれば中の下ぐらいにはとりあえずなれるという文章に勇気を貰った。
少年ジャンプの掲げる「友情・努力•勝利」と比べたらかなりドライな三原則だが、まじめにサブカルで食うための方法を伝えてくれている熱意を感じた。
80年代サブカルチャーのことが全くわからないから正直出てくる固有名詞が何を言っているんだかわからない部分もあったけど、紹介されている本や映画は是非とも見たいと思った。