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Posted by ブクログ
可愛いものが大好きな垣内は、愛猫のドナと過ごす時間が一番の幸せ。そして、なるべくならばいさかいは避けて生きていきたいタイプ。
そんな垣内の平和をかき乱すのが、同僚の二本木。
彼は歯に衣着せぬ物言いで、空気を読まず、ずばずば“本当のこと”を言ってしまう。
垣内は、二本木のことは認めつつも、もう少し物の言い方だけは考えてほしい、と何度も苦言を呈していた。
そんなある日、二本木が猫好きなのにまったく猫に好かれないことに悩んでるのを知り……
という話でした。
自分を強く持っていて、周囲の空気を読まないんだと思っていた人が、実は小学生並みの情緒の発達しかしてなくて、垣内はだんだんそんな二本木のことがかわいく見えてくるんですよね……
わがまま攻め、なのかな……?
二本木は自分の要求を通すのもストレートですけど、愛情表現もストレートです。
これってちょっと描き方を間違えると、ただの嫌な奴なんですけど、その辺りはさすがの作者さんで、厭味なく書ききってくださっていて、好感度は高い。
そして、二度目に読んだ時に思ったんですが、二本木につられて周りがどんどん変わっていく姿が、きちんとご都合主義ではなく、リアリティある形で書かれている話でした。
どちらかというと、少し時間をおいて二度目を呼んだ方が、味わい深くなっていい本だなあと思いました。